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On the Production
by 井口健二
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■第111回
ー・マーロウの脚本で、軍事スーパースパイを主人公にした
“Nick Fury”と、『ポセイドン』のマーク・プロトセヴィ
ッチの脚本で、北欧の神の化身“Thor”の計画も進められて
いる。
今回は、以上の6本が紹介されていたが、これらは5000万
ドルから1億6500万ドルの製作費で映画化が検討されている
ものだ。従って、10作品の実現にはメリル・リンチからの資
金だけでは足りないことになるが、マーヴルでは、取り敢え
ず最初の2本(“Iron Man”“Hulk”)が上手く行けば、後
はその収入を当てることで賄えると考えているようだ。そし
てさらに脚本家などは未定だが、7つのシリーズの計画も進
めているとしている。
なお、マーヴルのスーパーヒーローでは、“Spider-Man”
がSPE、“X-Men”と“Fantastic Four”がフォックス、
“Blade”がニューラインでそれぞれシリーズ化されている
が、これらは各映画会社との間でキャラクターの映像化権が
契約されているもので、各社に優先権があることから今回の
計画からは除外されているようだ。
元々マーヴル社は、過去の自社キャラクターの映画化でも
トップのスタン・リーやアヴィ・アラドが製作者に名を連ね
たり、自前の巻頭ロゴも用意するなど映画製作には熱心だっ
たが、今までは映画各社との共同製作に限られていた。この
ため映画会社側の意向で製作が思い通りに行かないことや、
収入が期待通りに上がらず映画会社とはトラブルになること
もあったものだ。しかし今後は、自社製作により、思う存分
スーパーヒーローたちを活躍させることができそうだ。
* *
トピック記事はこのくらいにして、ここからはいつもの製
作ニュースを紹介しよう。
まずはウィル・スミス主演で、リチャード・マシスン原作
“I Am Legend”(邦訳題・吸血鬼)のリメイクを、来年夏
公開に向けて進めることがワーナーから発表された。
この原作からは、1964年にヴィンセント・プライス主演の
“The Last Man on the Earth”(未公開)と、1971年には
チャールトン・ヘストンの主演で“The Omega Man”(オメ
ガマン)と、20世紀の内に2回も製作されているが、今回の
計画も、最初は1997年にリドリー・スコット監督、主演アー
ノルド・シュワルツェネッガーで立上げられた。しかし当時
1億2000万ドルと言われた製作費は、直近のシュワルツェネ
ッガー作品の不振などで調達が困難となって断念。その後、
2002年にはマイクル・ベイ監督とスミス主演で再度計画され
るが、これも不調に終っていた。
今回は、この計画に脚本家・製作者のアキヴァ・ゴールズ
マンが参加して脚本をリライト、『コンスタンティン』のフ
ランシス・ローレンス監督、主演スミスで進めるものだ。
因にスミスの主演では、スーパーヒーロー物の“Tonight,
He Comes”がコロンビア製作で今年の夏の撮影予定になっ
ていたが、4月1日付第108回で報告したようにジョナサン
・モストウ監督が降板を表明。その後釜には年末公開予定の
スミス主演作“The Pursuit of Happyness”を手掛けたガブ
リエル・マッキノ監督の起用が決まったものの、撮影スケジ
ュールは来年にずれ込むことになってしまった。
それに替って本作品の製作が急浮上したものだが、実は両
作ともゴールズマンが脚本製作を担当しており、その関係で
調整は上手く行ったようだ。なお、ゴールズマンとスミスの
コンビでは、2004年に『アイ、ロボット』を成功させている
もので、その実績から彼らの要請には会社側も従わざるを得
なかったのかもしれない。
* *
ウィル・スミスの話題に続いては、昨年公開『Mr.&Mrs.
スミス』での共演が話題になったアンジェリーナ・ジョリー
とブラッド・ピットに、再度共演の噂が広まっている。
作品は、昨年のアカデミー賞で主演男優賞ほかを受賞した
『Ray/レイ』のハワード&カレン・ボールドウィン夫妻
が製作準備を進めている“Atlas Shrugged”で、この計画に
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05月15日(月)
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