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On the Production
by 井口健二
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■第109回
6桁($)の契約金で獲得、ハンクス主宰のプレイトーンに
オファーされたというものだ。
 アメリカでもリストラの嵐はかなり強烈そうだが、特に、
極一握りのトップを除いては、重役も従業員でしかない競争
社会ではこのようなことも日常茶飯時なのだろう。そんな世
相にいち早く反応した作品と言える。それにしても、題名に
店名とは、スターバックスには良い宣伝になりそうだが、ま
た同チェーンでは、この春からカップホルダーに映画の広告
を入れることも始めたようで、映画が公開されると相乗効果
も生まれることになりそうだ。
 ただし、ハンクスの計画では、マイク・ニコルズ監督、ジ
ュリア・ロバーツ共演による“Charlie Wilson's War”が、
同じくユニヴァーサルの製作で9月15日の撮影開始の予定に
なっており、本作の製作はその後になるものだ。
 一方、ハンクスの予定では、『ナルニア』を製作したウォ
ルデン・メディアの姉妹会社ブリストル・ベイとプレイトー
ンとの共同製作で、息子のコリンが主演する手品師を主人公
にしたコメディ作品“The Great Buck Howard”に、親子の
役で出演することも発表されている。父親の出番は少ないよ
うだが、ケヴィン・クラインが相手役を務めるこの作品は、
7月にニューヨークで撮影の予定ということだ。
 というわけで、ハンクスのスケジュールには、当分空きは
無いようだが…
        *         *
 1997年に公開された“L.A.Confidential”の原作者として
も知られる作家のジェームズ・エルロイが、初めて自作以外
の脚色を手掛けることが発表された。
 この作品は、ニッキー・フレンチという作家の“Land of
the Living”という作品を映画化するもので、原作は2年前
に発表されたものだが、今回はエルロイが脚色を担当するこ
とをセットにして各社に打診が行われ、争奪戦の末にワーナ
ー傘下のニューラインが脚色料込み7桁($)に近い金額で
権利を獲得したということだ。
 物語は、性に多少だらしないと思われている女性が連続殺
人鬼に拉致され、拷問を受けた末に何とか脱出する。そして
彼女はそのことを警察に訴えるが、警察も彼女の友人たちさ
えもが彼女の作り話ではないかと疑うという展開。かなり悲
惨な話にもなりそうだが、エルロイがこれをどのように脚色
するのかも注目されるところだ。
 なお、エルロイの作品では、“The Black Dahlia”がユニ
ヴァーサルで、ブライアン・デパルマ監督、スカーレット・
ヨハンセン、ヒラリー・スワンク、ジョッシュ・ハートネッ
ト、アーロン・エッカートの共演で映画化中。
 またパラマウント製作で、“The Night Watchman”の映画
化が、エルロイ自身の脚色で準備が進められており、今回は
この脚色を完了した直後に、同作の製作者のアレクサンドラ
・ミルチャンからフレンチの原作本が届けられ、エルロイが
脚色をOKしたということだ。しかし、その映画化を同じ会
社で行わないところがこの製作者の強かさのようだ。
        *         *
 お次はテレビシリーズからの映画化で、1997年に公開され
て全世界で2億4000万ドルの大ヒットを記録した『ビーン』
の続編“BeanII”が、もちろんローワン・アトキンスン主演
で5月15日に撮影開始されることが発表された。
 ちょっと常識外れの行動がいろいろなトラブルを巻き起こ
すMr.ビーンの今回の物語は、彼が休暇で南フランスを旅行
し、やはりいろいろなトラブルの原因になってしまうという
もの。しかも映画の結末では、彼の旅行を撮影したヴィデオ
ダイアリーがカンヌ映画祭で上映されてしまうという展開に
なるようだ。
 つまり、5月15日の撮影開始というのは、カンヌ映画祭の
会期中に撮影を行うということのようだ。脚本は、サイモン
・マクバーニーの原案から、前作も手掛けたロビン・ドリス
コールと、新参加のハーミッシュ・マッコール。監督には、
昨年“The League of Gentlemen's Apocalypse”というこれ

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04月15日(土)
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