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On the Production
by 井口健二
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■第107回
 元々シリーズの基本路線はワネルががっちり守っているも
のだが、第1作の2人から第2作では一挙に8人に増やした
登場人物を、今度はどうするのだろうか。
 なお、ツイステッド・ピクチャーズは、“Saw”の第1作
が最初の製作作品で、その作品がライオンズゲイトから配給
されて大成功を納めたものだが、“Saw 2”に続いて現在は
ライオンズゲイト向けに“Catacombs”という作品がすでに
撮影を終了しており、さらに“Silence”という作品もユニ
ヴァーサルに向けて製作中ということだ。いずれもホラーっ
ぽいタイトルなので期待したい。
        *         *
 続いて、最近いろいろお騒がせのブラッド・ピットの主演
によるSF映画の計画がワーナーから発表された。
 ピットが主宰するプロダクション=プランBは、元々ワー
ナーを本拠で設立されたものだが、昨年主宰者の一人だった
ブラッド・グレイがパラマウントの社長となり、ピットとジ
ェニファー・アニストンの離婚などもあってワーナーを離れ
るものと思われていた。しかしワーナーは、以前からプラン
Bで企画されていたメアリー・ドリア・ラッセル原作のSF
大作“The Sparrow”の製作を進めることを発表し、この計
画にはピットが主演を希望しているということだ。
 原作の物語は、宇宙から届いた通信を手掛かりに遠い宇宙
へと旅立った飛行士たちを描くもので、主人公はそのメムバ
ーの一人のイエズス会の宣教師。つまり、戦国時代の日本に
キリスト教の布教にやってきたザビエル神父の宇宙版といっ
た感じの人物だが、物語では異星人間の激しい戦いに巻き込
まれて主人公の信念が揺らいだりもするようだ。
 そしてこの計画では、“North Country”(スタンド・ア
ップ)のマイクル・ゼイツマンが脚色を担当することも発表
されており、社会派の脚本家がどのように仕上げるかにも興
味の湧くところだ。
 因に、この原作の映画化は元々はユニヴァーサルで進めら
れていたものだが断念され、その原作の映画化権をワーナー
が、“North…”を製作したインダストリー・エンターテイ
ンメントとプランB向けに獲得したもの。従って、ゼイツマ
ンの脚色とピットの主演はほぼ決定事項と言えそうだ。ただ
し、ワーナーが本格的に製作にゴーサインを出すのは、ゼイ
ツマンの脚本が完成してからになるということだ。
 なおピットは、1月15日付の第103回で紹介した“Ocean's
Thirteen”に関しては未だ態度を表明していないが、他に
“Benjamin Button”という計画を、ワーナーとパラマウン
トの共同で進めている。またプランBとしては、マーティン
・スコセッシ監督の“The Departed”(『インファナル・ア
フェア』のリメイク)をワーナーで製作しており、さらにパ
ラマウント向けには、ピットの主演による“Babel”という
作品が進められているようだ。
 そう言えばプランBでは、確か以前にピットとジョニー・
デップの共演で、遠藤周作原作によるイエズス会の宣教師を
主人公にした作品をスコセッシ監督で撮る企画もあったはず
だが、どうなったのだろうか。
        *         *
 お次は、いよいよ動きが活発になってきたボブ&ハーヴェ
イ兄弟によるザ・ワインスタインCo.(TWC)の話題をま
とめて紹介しておこう。
 まずは2000年公開の“Crouching Tiger, Hidden Dragon”
(グリーン・デスティニー)で知られる中国の作家・王度盧
原作の武侠シリーズの映像化権をワインスタイン兄弟が獲得
し、映画化作品の舞台化と、シリーズ全体の映画化を目指す
ことが発表された。
 因にこのシリーズは、英語では“Crane-Iron Pentalogy”
と呼ばれる5部作で、その全容は、
1) 舞鶴鳴鸞 Dancing Crane, Crying Phoenix
2) 宝剣金釵 Treasured Sword, Golden Hairpin
3) 剣気珠光 Sword Force, Pearl Shine
4) 臥虎蔵龍 Crouching Tiger, Hidden Dragon
5) 鉄騎銀瓶 Iron Knight, Silver Vase
というもの。それぞれに組み合わされた単語が見事にバラン

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03月15日(水)
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