ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460242hit]
■第106回
の『プライドと偏見』などを手掛けるポール・ウェブスター
が当ることになっている。
撮影は今年の秋にロンドンで行う予定とのことだが、現状
では前回紹介した作品とどちらが先になるかは未定。ただし
撮影が開始されると、クローネンバーグ監督の同地での撮影
は、2002年公開の『スパイダー』以来のことになるものだ。
因に製作費は、1500−2000万ドルが予定されている。
なお、今回の作品に関しては、クローネンバーグがナイト
と共に、撮影台本の執筆に着手したという情報もあるようだ
が、前回報告した“Maps to the Stars”では、クローネン
バーグはワグナーの脚本を信頼して「自分は年の功を加える
だけ」としていたもので、この情報だけでロンドンでの撮影
が先行するとは言えないようだ。
* *
『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』が好調なジェー
ムズ・マンゴールド監督と、彼の妻で製作者のキャシー・コ
ンラッドが、監督の次回作として1957年コロンビア映画製作
の西部劇『決断の3時10分』(3:10 to Yuma)のリメイクを
手掛けることが発表された。
オリジナルはデルマー・デイヴィス監督、グレン・フォー
ド、ヴァン・ヘフリン共演によるもので、ヘフリン扮する金
の必要な農夫が、フォード扮する護送されるならず者を列車
が到着するまでの間だけ見張ることになるが、ならず者はい
ろいろな手立てで農夫を懐柔しようとし…というサスペンス
に満ちた物語。後に犯罪小説のベストセラー作家になるエル
モア・レナードが映画会社に所属していた時に執筆した短編
小説を映画化したもので、1950年代の西部劇の最高作の1本
とも呼ばれているものだ。
そして今回のリメイク計画では、最初に『ワイルド・スピ
ード×2』などのマイクル・ブラントとデレク・ハースが書
き上げた脚本を、『コラテラル』のスチュアート・ビーティ
がリライトし、このリライト脚本にマンゴールドが乗ったも
の。因にマンゴールド監督は、「善人と悪人をテーマにした
作品はいろいろあるが、この作品にはオリジナルな手触りが
ある。また最近の西部劇は精神的に描くものが多いが、この
作品では映画史上最高と成り得るガンファイトを含めて全て
の要素が描かれる」と語っているそうだ。
報道では製作時期は明確ではなかったが、監督の次回作で
あることは確かなようだ。また、マンゴールドとコンラッド
は、この他にも3本の計画を各社で進めていて、それぞれの
状況も紹介されていた。
その1本目は、2003年12月15日付の第53回で一度紹介して
いるが、1995年にイギリスで製作された“Mute Witness”の
リメイクをスパイグラスと共同で進めているもの。内容は、
モスクワで撮影されるホラー映画に参加した口の利けないメ
イクアップアーチストが殺人現場を目撃し、そこから始まる
恐怖を描いているということだ。そしてこの計画は、以前の
紹介ではソニーで進められていたが、その後同社は降板して
現在はユニヴァーサルが権利を引き継いでいるそうだ。
2本目は“The Rich Part of Life”という作品で、妻に
先立たれたシカゴの大学教授が、1億9000万ドルのロトくじ
に当ったことから始まる家族の出来事を描いた作品。ジム・
ココリス原作の長編小説の映画化で、計画はフォックス2000
で進められている。
そして3本目は“Follow Me”という作品で、自分の写真
を撮ってもらうために写真家を雇った女性を巡るスリラー。
なおこの計画は、最初にディメンションで立上げられ、次に
ディズニーが権利を保有したが、現在はパラマウントで進め
られているということだ。
さらにマンゴールドとコンラッドは、コンラッドが10年以
上温めてきた“Men in Trees”と題されたアラスカがテーマ
のテレビシリーズの計画も、アン・ヘッシュの主演を得てワ
ーナーの製作で進めているということで、まったく大忙しの
夫妻というところのようだ。
* *
お次は、昨年は『キャプテン・ウルフ』でコメディにも挑
[5]続きを読む
03月01日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る