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On the Production
by 井口健二
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■第105回
ンフーアクション映画の偽予告編と、偽のコマーシャルフィ
ルムも併せて製作して挿入されるというものだ。
 計画の全体は、両監督が映画を見て育った1970年代の雰囲
気を再現したものにしたいとのこと。因に、grindhouseとい
うのは、アメリカの俗語で下町に建てられた2本立てや3本
立て専門の映画館のことだそうだ。
 キャスティング等は未発表だが、撮影は近日中にテキサス
州オースティンのトラブルメーカー・スタジオで開始され、
撮影監督は両作品ともロドリゲスが担当する。ザ・ワインス
タイン Co.の配給で、アメリカでは今年後半の公開が予定さ
れている。
        *         *
 お次は、2002年に『マイ・ビッグ・ファット・ウェディン
グ』を自らの脚本と主演で成功させた女優のニア・ヴァルダ
ロスが、ユニヴァーサルで進められているトム・ハンクスの
主演作“Talk of the Town”の脚本を執筆することが発表さ
れた。
 ヴァルダロスは、『マイ・ビッグ…』の実現に当ってはハ
ンクスの製作という協力を得ているが、基本的には自分以外
の俳優のために脚本を書くことには抵抗があったそうだ。し
かし今回は、ハンクス自身がもたらしたアイデアに彼女が共
鳴し、「自らの意志に反して人生を変えなければならなくな
った男の物語」をハンクスのために執筆することにしたもの
だ。なおこの作品に、彼女自身の出演の予定はないとされて
いる。
 一方ヴァルダロスは、現在はリヴォルーションで彼女の主
演による“I Hate Valentine's Day”という作品の脚本を執
筆中だが、実はこの作品は、彼女が契約を結んだ際に題名だ
けが会社側から提案されたもので、この題名が気に入ったヴ
ァルダロスが、現在はその題名に合ったエピソードを取材中
とのこと。しかしその脚本が完成するまでは、会社側は静観
というところのようだ。
 また、彼女はヒット作の続編が大いに期待されていること
も判っているそうで、「だって、自分の家族からもしょっち
ゅう聞かされるし、町でスターバックスに入っても、皆から
そう言われるの」ということだ。
        *         *
 2005年6月16日付第89回で紹介した“Pan's Labyrinth”
のアメリカ配給がニューラインとHBOの共同会社ピクチャ
ーハウスと契約されたメキシコ出身のギレルモ・デル=トロ
監督が、次回作をニューラインで撮ることが発表された。
 この作品は、トラヴィス・ビーチャムという新人脚本家の
“Killing on Carnival Row”と題されたファンタシー・ス
リラーを映画化するもので、脚本は昨年の秋に争奪戦の末、
ニューラインが獲得したというもの。物語は、人間と妖精と
エルフ達が一緒に住む都市を舞台に、そこで起きた連続殺人
事件の謎を追うというものだ。最近この手の作品の話題はよ
く登場するが、なかなか実現には至らないもので、今回は監
督まで決まったことでは期待が持てる。
 因に、アルフォンソ・キュアロンとチームを組んで、スペ
インで撮影された“Pan's Labyrinth”も、スペイン内戦後
の同国の社会状況を背景にしたダークファンタシーと紹介さ
れていたもので、これも早く見てみたいものだ。それにして
もデル=トロは、リヴォルーションで“Hellboy II”の計画
もあったはずだが、そちらはどうなっているのだろうか。
        *         *
 ドイツの製作会社コンスタンティンから、ソニーが配給し
た恐怖シリーズ『バイオハザード』の第3弾を、“Resident
Evil: Extiction”の題名で、ミラ・ジョヴォヴィッチの主
演、ラッセル・マルケイ監督により2006年中に製作開始する
ことが発表された。
 因に、このシリーズの前2作はポール・WS・アンダース
ンの脚本監督で製作されたものだが、実はアンダースン監督
からは“Resident Evil: Afterlife”の題名で第3弾を作る
ことも公表されていた。しかし今回は監督も変わり、題名も
変更になっているもので、その辺の経緯がどのようになって
いるのかも気になるところだ。

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02月15日(水)
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