ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460210hit]

■SPL、プリティ・ヘレン、ヒストリー・オブ・バイオレンス、沈黙の脱獄、シムソンズ、トム・ヤム・クン!、スカイ・ハイ
しかも思春期を迎えた子供たちの長女は非行に走り…そんな
どん底から、主人公が自らの生きる道を見出し、立ち直って
行く姿を描いた作品だ。
まあ元々がモデルエージェントとか、一般庶民とはちょっと
違うところで始まる作品で、しかもその後の展開も都合よく
行き過ぎるが、最初から夢物語と言われればそんなものだろ
う。とは言え、こんな夢物語には男の僕でも羨望を持つし、
それがこの映画の目的でもあるところだ。
主演のケイト・ハドソンは、女優ゴーディ・ホーンの娘。彼
女には『あの頃ペニー・レインと』から注目しているが、少
し大人になった本作では、最後に笑顔になる瞬間がお母さん
にそっくりなのも懐かしく感じられた。
共演は、『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』のジョ
ン・コーベットと、『スクール・オブ・ロック』のジョーン
・キューザック。さらにディームの称号を持つヘレン・ミレ
ン。それに子供の長女役を、『レーシング・ストライプス』
のヘイデン・パネッティーアが演じている。

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
               “A History of Violence”
『ロード・トゥ・パーディション』などのパラドックス社発
行のグラフィック・ノヴェルを、『スキャナーズ』のデイヴ
ィッド・クローネンバーグ監督で映画化した作品。
片田舎に暮らして20年、弁護士の妻と2人の子供にも恵まれ
た主人公。ところが、彼の経営する食堂に2人組の強盗が押
し入ったときから生活が狂い始める。
主人公からはカウンターを挟んで銃を構える1人目の男と、
その後ろで女性に銃を突きつける2人目。その2人を一瞬の
うちに倒した主人公は、一躍地元の英雄として全国ニュース
にもなるのだが…
仕事に復帰して、主人公の人気で大繁盛となった食堂に、怪
しげな風体の男たちが現れ、主人公には普段とは異なる名前
で話しかける。そして最初は取り合わなかった主人公に、男
たちは暴力的な脅しを掛けるようになってくる。
長く平和だった男の人生が、そして家庭が崩壊して行く。
クローネンバーグ監督は、今まで家族というものを描いたこ
とがないのだそうだ。しかし本作では、この異様な事態に巻
き込まれる家族を描いた脚本に共鳴したという。その脚本は
アカデミー賞の脚色部門にもノミネートされたものだ。
しかし映画は、導入部から強烈なヴァイオレンスに彩られ、
これが普通の家族の映画ではないことを鮮明にしている。と
ころが描かれているのは本当に普通だった家族、その辺りの
ギャップの捉え方が、クローネンバーグの視点に完全に活か
されている。
という家族を描いた作品ではあるが、映画は題名通りヴァイ
オレンスで綴られたものだ。特に秒殺、瞬殺とでも言えそう
なアクションの見事さは、最近のアクション映画を見慣れた
目にも衝撃的なものだった。
最近の映画のアクションというと格闘技系のものが多いし、
肉弾相打つ格闘技の面白さは実に映画的なものだと思うが、
本作の中心はガンプレイ。しかも、正に一瞬で終る銃による
射殺を、ここまで見事にアクションに仕立てた演出は見事な
ものだ。
銃社会とまで言われるアメリカでしか描けない、そんな現実
が見事に反映された作品とも言えそうだ。
主演は、ヴィゴ・モーテンセンとマリア・ベロ。エド・ハリ
スとウィリアム・ハートの共演で、ハートはオスカー候補に
もなっている。

『沈黙の脱獄』“Today You Die”
題名で説明するまでもなくスティーヴン・セバール主演のア
クション作品。ついこの間も紹介したばかりだが、よくもま
あ作り続けられるものだと感心もするところだ。
お話は、裏の社会を相手に義賊的な仕事を続けてきた主人公
が、恋人のために危険な稼業から足を洗うことを決意し、警
備会社に現金輸送の運転手として就職する。ところが最初の
勤務で輸送車が襲われ、現金は紛失。主人公は強盗犯として
逮捕収監されてしまう。
こうして荒野のど真中の刑務所に入れられた主人公は、自分

[5]続きを読む

02月13日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る