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On the Production
by 井口健二
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■第103回
“Kingdom of Heaven”“Memoirs of A Geisha”の3本。こ
の内、湾岸戦争を描いた“Jarhead”では、爆撃シーンや燃
え盛る油井などは総てCGIで再現されていたそうだ。
単独のVFX賞候補には、“Charlie and the Chocolate
Factory”のナッツルーム、“Episode III”の開幕の戦闘シ
ーン、“War of the Worlds”の近隣の人々が逃げ惑うシー
ンが選ばれている。
また、実写映画におけるアニメーションキャラクター賞候
補は、“The Chronicles of Narnia”のアスラン、“Harry
Potter”のドラゴン、“King Kong”のコング。アニメーシ
ョン映画におけるキャラクター賞候補は、“Madagascar”の
キング・ジュリアン、“Robots”のフェンダ、“Wallace &
Gromit: The Curse of the Were-Rabbit”のグルミット。
さらに背景賞候補には、“Batman Begins”のモノレール
と“Harry Potter”のブラックレイク湖底、“King Kong”
のニューヨークの攻撃シーン、それに“Episode III”。ミ
ニチュア賞候補には、“Harry Potter”のホグワーツ校と、
“Episode III”“War of the Worlds”。合成賞候補には、
“Harry Potter”のヴォルデモートの鼻、“King Kong”の
Tレックスの闘いと、“War of the Worlds”が選ばれた。
なお、後半の3賞で対象が表記されていないのは、元の発
表にも書かれていないものだが、映画の全体で評価するとい
うことなのだろうか。ただし、表記されていない“Episode
III”と“War of the Worlds”が共にILM単独の作品とい
うのは引っ掛かるところだ。
VESAwardsは上記を含めた全20部門で争われ、受賞式は
2月15日に催されることになっている。
* *
もう1件、賞絡みの情報で、アカデミー賞のメイクアップ
部門の予備候補が発表されている。
予備候補は、“The Chronicles of Narnia”“Cinderella
Man”“A History of Violence”“The Libertine”“Mrs.
Henderson Presents”“The New World”“Episode III”の
7本で、この内“The Libertine”については、以前の映画
紹介では「メイクが良くない」と書いてしまったものだが、
専門家の評価は違ったようだ。
最終候補はこの中から3本が1月31日に発表される。
* *
以下は製作ニュースを紹介しよう。
まずは、上でも書いたように、12月の公開にもかかわらず
年間興行成績第4位にランクインし、さらに数字を伸ばして
いる“The Chronicles of Narnia”について、続編の情報が
報道されている。
この続編に関しては、2004年12月1日付の第76回でも報告
しているが、当初の計画では『ライオンと魔女』を製作した
後は、残りの6冊を2〜3本にまとめて映画化するとされて
いた。ところが最近の報道では多少ニュアンスが変化してい
るようで、製作実務を行っているウォルデン・メディア代表
のケイリー・グラナッドは、「続編は“Prince Caspian”の
脚色を進めており、近日中に監督を決定する」と発言してい
るということだ。
ここで“The Chronicles of Narnia”に関しては、映画化
された『ライオンと魔女』は最初に発表された物語ではある
が、年代記としては2番目になるもので、その前には“The
Magician's Nephew”(魔術師のおい)という物語が存在す
る。一方、続篇として紹介された“Prince Caspian”(カス
ピアン王子のつのぶえ)は年代記では4番目となるもので、
3番目には“The Horse and His Boy”(馬と少年)という
物語があるのだ。
では、何故続篇が“Prince Caspian”なのかと言うと、そ
れは発表順で2番目だからということに他ならない。つまり
映画化は原作の発表順に行われることを示しているものだ。
しかしそうすると、年代記として残りの6冊を2〜3本にま
とめるのは非常に難しくなる。そこでこれは飽く迄も希望的
観測だが、今回の発言は全7冊を1本ずつ映画化することも
予想させるものになっているのだ。また今回の大ヒットの様
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01月15日(日)
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