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On the Production
by 井口健二
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■第102回
れない事態を回避するために無理矢理の選考のような感じも
否めない。
 なお、“Howl”は海外はディズニーの配給で、ローレン・
バコール、クリスチャン・ベイル、ビリー・クリスタルらが
吹き替えを担当し、アメリカだけで470万ドル稼いでいるそ
うだ。また“Steamboy”はソニーの配給で、アルフレッド・
モリーナ、アンナ・パキン、パトリック・スチュアートらが
吹き替えし、全世界で1100万ドルの収入と紹介されていた。
 で、最終候補の3本は、作品自体が話題になった“Corpse
Bride”と“Wallace & Gromit”、それに、2005年度のアニ
メーションの興行収入ではダントツの5億2600万ドルを稼ぎ
出した“Madagascar”が順当と見るがどうだろうか。
 一方、短編部門には今年は33本がエントリーされ、中には
2005年8月1日付第92回で紹介した“9”や、94歳の大ベテ
ラン、ジョセフ・バーベラがストーリーを手掛けた“Tom &
Jerry”の新作なども入っているようだ。
        *         *
 以下は製作ニュースを紹介しよう。
 歌手ジョニー・キャッシュの伝記映画“Walk the Line”
でゴールデン・グローブ賞の主演女優賞にノミネートされて
いるリーズ・ウィザースプーンの主宰で、ユニヴァーサルに
本拠を置いている製作プロダクション=タイプAフィルムス
から次々に計画が発表されている。
 このプロダクションは2003年に彼女の当り役『キューテ・
ブロンド』の続編の製作を機に発足されたものだが、すでに
進行中の企画としては現代が背景の妖精物語“Penelope”が
プレプロダクションの段階となっている他、スリラー作品の
“The Reckoning”も準備中とのことだ。
 そしてさらにユニヴァーサルから、ウィザースプーンの主
演用としてドン・ウィンストンによるオリジナル脚本“Our
Family Troubles”の権利を獲得したことが発表された。
 この作品は、初めて母親となる女性が妊娠後に不思議な現
象に遭遇し、出産のためテネシー州の実家に戻るが、そこで
伝説の魔女ベルを見てしまう。そして邪悪な精霊が彼女の赤
ん坊を傷つけていると信じ込んでしまうというもの。元々が
テネシー州ナッシュヴィルの出身で、すでに出産経験もある
女優には持ってこいの作品という感じだが、ちょっと恐そう
なお話だ。なお、題名は変更される予定ということだ。
 それにしても、タイプAで進行中の作品は、いずれも妖精
物語であったりスリラーであったりと、ちょっとウィザース
プーンの当り役の路線とは違っているような気がするが、こ
れは彼女自身の希望なのだろうか。単純に流行に乗っている
だけにしては、微妙にいろいろな方向性を持たせているよう
にも感じられて面白いと思えるのだが…
        *         *
 続いては、ジョージ・A・ロメロ監督による本家版の新作
『ランド・オブ・ザ・デッド』を製作したプラティナム・ス
タジオとIDGフィルムス、リレイティヴィティ・メディア
の3社は、共同でコミックスを原作とする“Witchblade”の
映画化を前後編の2部作で製作することを発表している。
 この物語は、神秘的で強力な武器を駆使して犯罪者や邪悪
な敵と闘う女性探偵(刑事)を主人公にしたもので、原作の
権利は、『MiB』などで知られる独立系のトップ・カウコ
ミックスが所有している。また、この原作は一時期テレビシ
リーズ化もされており、放送を行ったTNTでは最も成功し
た作品の一つと言われているそうだ。
 という原作の映画化だが、今回の発表では、これを前後編
の2部作でしかも一時に製作する。これについてプラティナ
ムの首脳は、「あまりしないことだが、この作品はそのやり
方に最適のものだ」と、『ロード・オブ・ザ・リング』など
を例に挙げて説明したそうだ。脚本家や監督等は未定だが、
2006年後半に中国で撮影を行う予定となっている。製作費に
は2作の合計で4000万ドルが計上されているようだ。
 なお、配給会社は未発表だが、最近プラティナムとトップ

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01月01日(日)
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