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On the Production
by 井口健二
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■第101回
が担当することが発表された。
この作品は、以前に紹介した時には、デイヴィッド・グレ
ゴリー・ロバーツというオーストラリア人の新人作家の原作
に、ワーナーが200万ドルの映画化権の契約を結んだことで
も話題になったものだが、その内容は、窃盗容疑で捕まった
麻薬中毒の男が、オーストラリアで最も厳重と言われた刑務
所を脱獄し、インドへ密航してムンバイで医者となり、さら
にアフガニスタンに潜入して当時のソ連と戦っていたゲリラ
に身を投じるというものだった。
そしてこの波乱万丈の物語に対して今回の発表では、ウェ
アはエリック・ロスと共同で脚色し、ワーナーでは2006年後
半の撮影を期待しているということだ。因に、この世界を股
に掛けた物語に対してウェアは、単なる冒険物語ではなく、
初期の『誓い』や『危険な年』のような政治色の強い戦争を
描いた作品にしたいとしており、デップの主演作ではかなり
異色のものになりそうだ。
またこの作品は、デップが自ら設立したインフィニタム・
ニヒルという映画製作プロダクションの第1回作品となる予
定のものだ。
なお、デップは『リバティーン』の全米公開が、ワインス
タインCo.の配給で11月25日に開始されたところだが、もし
この作品でアカデミー賞候補になると、3年連続となって、
これはマーロン・ブランド、アル・パチーノ、スペンサー・
トレイシー、ゲイリー・クーパー、グレゴリー・ペック、リ
チャード・バートン、ジャック・ニコルソン、ウィリアム・
ハート、ラッセル・クロウに並ぶ記録ということだ。
* *
お次は、10月15日付第97回で書いたばかりのクリストファ
ー・ノーラン監督作品“The Prestige”に、強力な助っ人の
登場が発表されている。この作品には、先にマイクル・ケイ
ンの出演も発表されていたが、さらに歌手で『地球に落ちて
きた男』などのデヴィッド・ボウイと、スカーレット・ヨハ
ンセンも共演することになった。
この内、ボウイの役柄は、19世紀に実在した電気研究家の
ニコラ・テスラということで、クリスチャン・ベイル、ヒュ
ー・ジャックマンが演じる2人のマジシャンに、科学を応用
した新たなマジックのテクニックを提供するという役柄のよ
うだ。なおボウイは、最近では『ズーランダー』にゲスト出
演していたが、元々ノーラン監督とは友人関係ということで
出演が決まったそうだ。また、ボウイが演じるテスラは来年
が生誕150周年に当るということで、その役の登場自体も話
題になりそうだ。
一方、ヨハンセンは、2人の闘いの原因となる女性の役の
ようだが、ヨハンセンについては前々回の第99回でも動きを
紹介したばかりで、その上、2004年4月15日付第61回で紹介
した“Napoleon and Betsy”も監督にベンジャミン・ロスの
起用が決定して早急に動き出すことになっている。ただし、
“Napoleon…”の撮影は4月頃からということで、その前に
1月撮影開始の本作が挟み込まれたということのようだ。
なお“The Prestige”の製作は、ディズニーとワーナーの
共同で行われるもので、配給はアメリカ国内をディズニー、
海外はワーナーが担当することになっている。
* *
続いては、“Deja Vu”のトニー・スコットに続いてまた
また監督復帰の情報で、9月15日付第95回で紹介したパラマ
ウント+ドリームワークスの共同製作による“When Worlds
Collide”(地球最後の日)のリメイクに、当初予定されて
いたスティーヴン・ソマーズ監督の復帰が発表された。
この計画については、4月15日付の第85回でも報告したよ
うに、当初はパラマウントが1951年の自社作品の再映画化を
ソマーズ監督で進めていたものだった。しかし、その後に監
督はフォックスの“A Night at the Museum”という作品へ
の参加を表明し降板が発表された。このためパラマウントで
は、この夏『宇宙戦争』を成功させたドリームワークスとの
共同で計画を再構築することにしていたものだ。
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12月15日(木)
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