ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460095hit]
■第100回
イプスと、脚本家のデイヴィッド・S・ゴイヤーがタッグを
組み、1998年に第1作の“Blade”がスティーヴン・ノリン
トンの監督で映画化。次いで2002年にギレルモ・デルトロの
監督で“Blade II”と、さらに2004年に脚本家ゴイヤーの監
督デビュー作として“Blade: Trinity”が発表された。
ところが、実はこの第3作の製作を巡っては、元は第2作
の後でテレビシリーズ化を検討してたスナイプスと、映画化
を狙ったゴイヤーの間で行き違いが発生。さらに映画の成績
も思ったほどには伸びなかったことから、2人の亀裂が決定
的となってしまった。
という経緯でのテレビ化となったものだが、今回の企画で
はゴイヤーが製作総指揮と、コミックスの原作者でもあるゲ
オフ・ジョンズとの共同による脚本も担当し、製作は映画版
を製作したニューラインの子会社のテレビ部門で行うという
もの。そしてテレビ化では、映画版ではスナイプスが演じた
ヴァンパイアと人間のハーフ・ブラッドの主人公を、人気テ
レビ番組の『となりのサインフェルド』などに出演のカーク
・ジョーンズという俳優が演じることになっており、スナイ
プスとは切り離したものになるようだ。
なお共演者は、ジル・ワグナー、ニール・ジャクソン、ネ
ルソン・リー、ジェシカ・ゴーワーという顔ぶれで、監督は
ピーター・オファロン。製作は、11月14日にカナダのヴァン
クーヴァで開始されている。また、今回製作されているのは
1本だけのようだが、放送は2007年6月にスパイクTVで予
定されているもので、状況によってはシリーズ化の可能性も
高いようだ。
* *
お次は、『チャーリーとチョコレート工場』『コープス・
ブライド』でジョニー・デップとの連続コラボレーションが
好評を博したティム・バートン監督の新作で、今度はジム・
キャリーと組む計画が発表された。しかも、進められている
作品は“Ripley's Believe It or Not”というものだ。
この題材は、知る人ぞ知るコラムニストのロバート・リプ
リーという人が、1918年に連載を開始した世界の珍談奇談を
集めた新聞記事に基づくもので、最初にラジオ番組で人気を
博し、その後の1949年には、リプリー本人を番組ホストに迎
えて、記事の内容を再現ドラマやリプリー自身が現地に赴く
などして検証したテレビシリーズが“Believe It or Not”
の題名で放送開始された。ところがその開始から間もなく、
リプリーが急死、翌年には別のホストを立て再現ドラマ中心
で継続されたが、そのまま幻の番組となったものだ。
その番組が、1982年に俳優のジャック・パランスを番組ホ
ストに迎えて“Ripley's Believe It or Not”の題名で再製
作され、この番組は1986年まで4年間に渡って放送された。
因にこの再製作は、題名に名前を冠した通りリプリーの遺族
の了承を得て行われたもので、オリジナルの記事の再現と共
にそのアップデイトも行われ、さらに当時のスペースラボに
カメラを持ち込んで無重量状態の生活を取材したり、また、
『オズの魔法使い』の公開版から削除された場面のフィルム
を発見して放送するなど、硬軟取り混ぜた内容が高く評価さ
れたということだ。
という題材がバートンとキャリーで映画化される訳だが、
具体的な内容に関しては、計画を進めているパラマウントか
らは「リプリーの足跡を辿る」というだけで詳細には明らか
にされていない。ただし発表によると、ジャンルはアクショ
ン・アドベンチャーで、シリーズ化も目指すとなっており、
さらに本作は、2007年後半の公開を目指して早急に製作を進
めるとのことだ。
一方、この作品の脚本は、バートンとは『エド・ウッド』
で、キャリーとは『マン・オン・ザ・ムーン』で協力したこ
とのあるラリー・カラゼウスキーとスコット・アレクサンダ
ーが担当しているもので、お互い気心の知れあった仕事にな
りそうだが、この2作はいずれも芸能関係者の伝記を扱った
もので、その線で考えると、今回の計画はリプリーの生涯を
[5]続きを読む
12月01日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る