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On the Production
by 井口健二
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■第98回
製作資金の面でも問題がある。さらに市からの要請もあって
ニューオルリンズで撮影を行うことがほぼ確認され、これに
よりスコットも復帰を了承したというものだ。ただし、撮影
の予定されているドックとフェリーの発着場などは未だ修復
が済んでおらず、またホテルなど施設の復旧もまだで、この
ため撮影はさらに遅れて、来年2月からになる模様だ。
とは言え、これでスコット監督の許での撮影は確定したも
ので、これによりワシントンとの3度目のコラボレーション
が実現することになった。またこれは、ハリケーン来襲後に
当地で行われる初めてのメイジャー作品の撮影になるという
ことで、地元の経済復興や、特に地元に希望を与えるという
面でも大きな期待が寄せられているようだ。
一方、スコット監督にとっては、新作“Domino”の封切り
週末の全米興行が、470万ドルで第7位とちょっと期待外れ
だっただけに、前作『マイ・ボディガード』が米国内だけで
7800万ドルを稼いだワシントンとのコラボレーションは、ち
ょうど良いリハビリにもなりそうで、期待されるところだ。
* *
お次は、1976年に自ら脚本を書いて主演し、映画の製作自
体がアメリカンドリームだと言われたシルヴェスター・スタ
ローンの“Rocky”シリーズで、1990年公開の『ロッキー5
最後のドラマ』以来の第6作が製作されることになった。
第6作の題名は“Rocky Balboa”。因にこのシリーズの題
名は、邦題では第4作に『炎の友情』と第5作に上記の副題
が付いているが、原題は最初の題名にローマ数字が附された
だけだったもので、そうでない題名は今度が初めてになる。
物語は、シリーズ全作の脚本を手掛けるスタローンの発言
によると、今回は妻と死別した元チャンピオンのロッキー・
バルボアが、現チャンピオンとのチャリティを兼ねたタイト
ルマッチへの出場を求められ、最初は断るものの、やがて勝
利のためはでなく、自らの闘いの人生を完結させるために出
場を決意する。そして、計算されたテクニックで勝利を掴み
取る(?)というもの。
主演はスタローンで、相手役のチャンピオンには前ヘヴィ
級チャンピオンのロイ・ジョーンズJr.に出演交渉が行われ
ているということだ。また共演者には、第1作から連続のバ
ート・ヤングの名前が挙がっているが、他には無名の新人を
起用するとしている。しかしここに、名脇役バージェス・メ
レディスの名前が無いことは残念だ。さらに音楽は、第1作
からのビル・コンティが担当することになっている。
スタローンは脚本の他、第2〜4作に続いて監督も担当す
る予定で、撮影は2006年の第1四半期にフィラデルフィアと
ラスヴェガスに行われることになっているが、公開は未定。
なおこのシリーズは、元はMGMで製作されていたもので、
今回は同社とコロムビア、それにリヴォルーションの共同製
作配給となるものだ。
ところでスタローンの映画出演は、2003年の『スパイキッ
ズ3−D』が最後となるようだが、その一方で、テレビでは
ボクシングチャンピオンを目指す視聴者参加番組の製作総指
揮を務めたりもしていて、かなり多忙だったようだ。
そしてその中で、今回の計画も進めて来たものだが、実は
4年前にこの計画を立上げたときにはスタジオは余り良い顔
をしなかったそうだ。しかも、その後にMGMとコロムビア
が一緒になって2社相手の交渉は困難を極めたとしている。
しかし今回は第1作の精神に戻って執筆された脚本が両社の
賛同を得られたことと、特にリヴォルーション社長ジョー・
ロスが間に入って両社をまとめてくれたことにも感謝してい
るということだ。
なおスタローンは、今年6月1日付の第88回で紹介したよ
うに、もう一つの当り役“Rambo”シリーズの第4作の計画
も発表しているが、こちらはミレニアム・フィルムスとエメ
ット/ファーラの製作で、最近の報告ではまだ脚本が初期段
階にあるということだ。また、ロバート・ダウニーJrを主演
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11月01日(火)
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