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On the Production
by 井口健二
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■ランド・オブ・プレンティ、ARAHAN、大停電の夜に、アクメッド王子の冒険、モンドヴィーノ、親切なクムジャさん
絶対の拳技を求めた人というような意味のようだ。これは中
国も韓国も同じなのかな?               
で、本作の舞台は現代の韓国。世情が乱れるとき人々の気を
正しい方向に導いて乱れを抑える七仙と呼ばれる者たちがい
た。一方、主人公は正義感に溢れる交通警官だったが、ある
日、路上のひったくりを追いかけた彼は謎の女性拳士に遭遇
する。
ところが、彼は彼女が誤射した掌風の直撃を受け、彼女の暮
らす道場に担ぎ込まれ、そこで類希な気の持ち主であること
が発覚する。しかし、正義感だけで喧嘩も滅法弱い彼は、言
われたことも判らず道場から飛び出すが…        
実は、七仙の中で現存しているのは5人。1人は掟を破って
倒され、もう1人は世の中を自分だけの力で正そうとして、
そのやり方に反対する他の5人に封印されたのだが…その封
印された仙が復活しようとしていた。そして5人は、新たな
七仙の中心となる人材を探していた。                
映画は、前半は弱虫の男性が強い女性に救われるという、韓
国風ラヴコメの感覚で展開する。この展開が韓国でも日本で
も受けているらしいのだが、どうもこの手が苦手の僕にはち
ょっとたるいと感じてしまうところだ。しかし後半になって
闘いが始まると、これが一変する。           
闘いは復活した最強の仙と、若い2人との対決となるが、基
本は1対1の闘いに絞られ、これが剣などの武器を使った闘
いと素手のアクロバティックな勝負の両面で、見事に展開さ
れる。しかも、敢えて武器を捨てるようなわざとらしい演出
もなく、まさに死闘という感じなのが見事だった。    
脚本・監督は1973年生まれのリュ・スンワン、主演はその弟
のリュ・スンボム。兄弟で作った作品で共にデビューし、そ
の後、それぞれの道を歩んだ2人の再会コラボレーションの
ようだが、さすがに息はピッタリと合っている感じだ。  
また、撮影監督を、『ナチュラル・シティ』『私の頭の中の
消しゴム』などのイ・ジュンギュが担当し、特に後半の武闘
シーンのカメラワークは、客観的シーンと主観的シーンが交
錯し、華麗と言って良いくらいに見事だった。      
ただしVFXでは、CGIと実写との連携がちょっと物足り
なかった。例えば最後の武闘シーンでは床の瓦礫が全部飛び
上がるようなイメージが欲しかったが…見事な武闘シーンの
ワイアーワークの次は、その辺を極めてもらいたいものだ。
昨今は韓流ブームなどと言われ、なよなよしたお涙頂戴のラ
ヴストーリーが持て囃されているようだが、本来の韓国映画
の面白さはそんなものではない。本作は、そんなブームとは
一線を画した本当の映画の楽しさ面白さに出会える作品だ。
                           
『大停電の夜に』                   
クリスマスの夜に、突然首都圏を襲った大停電。その暗闇の
中で、いろいろの物語が交錯して行く。監督は、数多くのド
キュメンタリーやテレビドラマを手掛け、劇場用映画はこれ
が2作目の源孝志、脚本は源とテレビドラマ出身の相沢友子
の共作。                       
去年の12月21日にこの映画の製作記者会見が行われたおり、
僕は2つの質問を、脚本家でもある監督にぶつけている。 
その一つ目は、1968年にドリス・デイの主演で映画化された
『ニューヨークの大停電』という作品を知っているかという
こと。そして、二つ目は映画の形式がオムニバスなのかどう
かということだった。                 
残念ながら最初に質問に関しては、監督はご存じなかったよ
うだが、二つ目の質問に対しては、我が意を得たりという感
じで、オムニバスではなく、『24』のように物語が並行し
て進む形式を採ると回答してくれた。          
実はこの記者会見の時点では、すでに撮影はスタートしてい
たもので、従って脚本も完成していた訳だが、このときの監

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08月31日(水)
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