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On the Production
by 井口健二
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■第93回
ビシリーズ化もされたが、それも1クールで終了している。
これに対してハミルトンの原作は、1960年発表された第1作
“Death of a Citizen”以降20作以上も発表されているとい
うことで、成功すればかなりのシリーズになりそうだ。
ただし、第2次大戦に絡む主人公の設定などは21世紀では
通用し難いもので、脚本家コンビには、その辺の物語の現代
化も求められているものだ。なおこの脚本家コンビは、ユニ
ヴァーサルが来年夏向けに計画していたコミックスの映画化
“Wanted”や、パラマウントでロバート・ロダットが手掛け
たトム・クランシー原作“Red Rabbit”の脚色のリライトな
ども契約している。
またフランス映画のリメイクで“The Capitalist”という
作品も、ハースの製作によりブラントの監督デビュー作とし
てユニヴァーサス傘下のフォーカス・フィーチャーズで計画
されているようだ。
* *
もう1本ドリームワークスから、トム・クランシーの書き
下ろしによるヴィデオゲーム“Splinter Cell”の映画化の
計画が発表された。
このゲームは、クランシーが発表しているヴィデオゲーム
シリーズの“Rainbow Six”“Ghost Recon”と並ぶもので、
政府機関のスパイ=サム・フィッシャーを主人公に、国際的
テロ組織とのハイテクを駆使した闘いが描かれる。ゲームで
は、すでに続編の“Pandora Tomorrow”と第3作の“Chaos
Theory”も発表されて、3作合計で1200万本が販売されてい
るということだ。
そしてこの映画化の計画は、元々はパラマウントで、前回
も登場したピーター・バーグの監督により進められ、バーグ
とゲームライターのJ・T・ペティ、ジョン・J・マクラグ
リンによる脚本も完成していたということだ。しかし、バー
グの出来るだけ早く製作したいという意向と、パラマウント
側の製作時期の考えが合わず、結局バーグが前回も紹介した
“The Kingdom”の計画に参加を表明したために、計画自体
がキャンセルされてしまったものだ。
その計画がドリームワークスに移されたものだが、同社で
は新たに“The Manchurian Candidate”(クライシス・オブ
・アメリカ)のダニエル・ペインを脚色に招いて映画化を進
めることになっている。
監督は未定のようで、前回紹介したようにバーグのスケジ
ュールはかなり詰まっているようだし、今回新たに脚本家が
契約されたということは、もはや彼の復帰はないと思うが、
バーグには別の期待作もあることなので、その辺は巧くやっ
てもらいたいものだ。
* *
このサイトでは2002年3月1日付の第10回で初めて紹介し
たニューラインが進めているフィリップ・プルマン原作によ
るファンタシー3部作“His Dark Materials”の映画化で、
第1作の“The Golden Compass”の監督に、イギリス出身の
エイナッド・タッカーの起用が発表された。
この計画については、2004年6月1日付の第64回で再度紹
介したように、一時は“About a Boy”のクリス・ウェイツ
監督の起用も発表されていたものだが、そのウェイツ監督が
昨年12月に降板を表明、その後、ニューラインでは50人以上
の後任監督をリストアップして、選考を進めていたというこ
とだ。その中には、リドリー・スコットやデイヴィッド・ク
ローネンバーグも含まれていたと報告されている。
しかしなかなか決定に至らなかったもので、そんな折りに
タッカー監督から20ページに及ぶ概要を含めた、コンセプト
アートやVFXのデモ映像などが提出され、これらを検討し
たニューラインの首脳によってタッカー監督の起用が決定さ
れ、正式発表されたものだ。
この発表に当ってニューラインの首脳からは、「我々は、
タッカー監督の実績や彼が提出したプレゼンテーションなど
を検討し、その結果、彼がアイデアに溢れた作家であって、
この計画を実現するのに最適な人材であると確信した」との
発言が添えられた。また原作者のプルマンからも、「彼は、
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08月15日(月)
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