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On the Production
by 井口健二
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■第89回(前)
3月17日公開で、エルモア・レナード原作、ジョン・マッデ
ン監督による“Killshot” 
4月14日公開で、デイヴィッド・ズッカー監督によるシリー
ズ第4作となる“Scary Movie 4” 
2006年春公開で、クェンティン・タランティーノとロベルト
・ロドリゲスがそれぞれ60分の監督作品を合体して発表する
“Grin House” 
2006年夏公開で、ロベルト・ロドリゲス、フランク・ミラー
が再度手を組む続編の“Sin City 2” 
これらのスケジュールが確定しているということだ。
 ただし10月以降の作品で、“Derailed”“The Matador”
“Breaking & Entering”“Scary Movie4”“Sin City 2”
の5本については、権利関係の都合でディズニーとの共同製
作となり、アメリカ国内は新会社、海外はディズニーの配給
となるようだ。
 以上が発表されたスケジュールだが、これらの作品はいず
れも兄弟がディズニー傘下の間に製作、企画されたもので、
言ってみれば旧体制の名残りの作品ということになる。これ
に対して前回紹介の“Outlander”は、10月の撮影開始で、
正真正銘の新会社の第1作となる予定のものだ。
 この他に同社では、カンヌ映画祭のマーケットに出品され
たドイツ製作のCGIアニメーションで“Hoodwinked! The
True Story of Red Riding Hood”という作品の北米配給権
も契約している。この作品は、ペロー童話の『あかずきん』
をモティーフに、ちょっと飛んでる刑事が事件の捜査を行う
という設定のもので、元ディズニーのアニメーション担当重
役だったスー・ベア・モンゴメリーの協力の下、ドイツの酒
造メーカーのバックアップで2年前に設立されたCGIスタ
ジオが製作に当っている。
 なお作品は、ハーヴェイ・ウェインスタインの発言によれ
ば、「今の時代にマッチした奇妙な作品。ユニークで、目か
ら鱗の落ちるような展開は、子供のイマジネーションを虜に
すること確実なもの」だそうだ。
        *         *
 ということで、前回のフォローアップは終了して、以下は
いつもの製作ニュースを紹介しよう。
 最初は、またまた続編の情報で、2003年公開のリメイク版
が全米1億ドル超のヒットを記録した“The Italian Job”
の続編の計画が発表された。
 この続編については、2004年8月1日付の第68回でも紹介
したものだが、実は前の紹介の時点ではすでに製作リストで
in productionとなっていた製作状況が、その後の9月29日
付でannouncedに変更され、進行がストップされたまま現在
に至っていた。つまりこの計画は一時頓挫していた訳だが、
今回はその計画が再び動き出したものだ。
 そして今回の情報では、“The Chronicles of Riddick”
などのデイヴィッド・トゥーイーが執筆した“The Wrecking
Crew”というオリジナル脚本のキャラクターを入れ替えて、
続編の脚本とするというもので、リオデジャネイロが主な舞
台となるこの続編の題名は、“The Brazilian Job”になる
と発表されている。
 因みにトゥーイーは、1993年公開アンドリュー・デイヴィ
ス監督による“The Fugitive”の脚本も担当しているが、最
近の“Pitch Black”や“Riddick”では自作脚本を自ら監督
しているものだ。そして今回の脚本も、本当は自分で監督す
るつもりでパラマウントに提出したものだったそうだが、製
作者との会見に呼ばれて、その席で続編として映画化するこ
とを説得されたということだ。なお続編の監督には、前作を
手掛けたF・ゲイリー・グレイの担当が契約されている。
 この経緯に関してトゥーイー自身は、「ゲイリーは、先の
リメイクでスタイルを確立しているし、続編という形で作る
なら彼が最適だと思う」と納得して身を退くことを決めたよ
うだ。また、このように他の脚本で続編を作るケースでは、
最近では“Honor Among Thieves”という脚本から“Ocean's
Twelve”が作られた例があるし、1995年のシリーズ第3作
“Die Hard With a Vengeance”が、“Simon Says”という
別の脚本から作られたのも有名な話だ。

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06月15日(水)
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