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On the Production
by 井口健二
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■第87回(前)
冒険を描いたスピンオフシリーズ(ジャンルは探偵もの)が
作られるほどの人気番組だった。
 そしてこのシリーズの映画化権は、昨年11月に各社争奪戦
の結果ドリームワークスが獲得したもので、7桁($)後半
と言われる契約金額は、2004年9月15日付第71回で紹介した
ワーナーが進めている“Hawaii Five-O”と並んで、テレビ
シリーズの契約金では最高額とも言われているものだ。
 また、今回はその脚本に、『招かれざる客』のリメイク版
“Guess Who”で全米公開第1週にNo.1ヒットを記録し、す
でに6000万ドル以上を稼ぎ出しているジェイ・シェリック、
デイヴィッド・ロンのコンビの起用も発表されている。
 ジャンル的には、アクションアドヴェンチャー、若しくは
探偵ものということで、脚本自体はそこそこの実力があれば
誰にでも書けそうなもの。後は脚本家のセンスが問われるこ
とになりそうだ。ただし、今回の映画版の製作に関しては、
オリジナルの出演者たちの動向が不明で、果たしてテレビの
人気ものたちが揃って出演してくれるものか否か、特に、シ
リーズの後半では製作総指揮も務めたハッセルホフの登場が
ヒットの鍵となりそうだ。
        *         *
 お次は“The Equalizer”(ザ・シークレットハンター)。
 1985−89年シーズンにCBSで放送されたマンハッタンを
舞台にした探偵もので、元シークレットサーヴィスの主人公
が地元新聞に出す‘Got a problem? Call the Equalizer’
の広告に応募した人々の悩みを解決するというお話。オリジ
ナルの主人公を、今年3月15日付の第83回で紹介した“The
Wicker Man”のオリジナル版に主演の英国人俳優エドワード
・ウッドワードが演じていた。
 そしてこのシリーズの映画版を、『サハラ』が公開された
ばかりのクライヴ・カッスラー原作ダーク・ピットシリーズ
や、トム・クランシー原作ジャック・ライアンシリーズなど
を手掛けるメース・ニューフェルドの製作で進めるもので、
オリジナルシリーズの製作者のマイクル・ソローンも製作総
指揮として参加することになっている。
 なお計画は、最初にソローンがニューフェルドに持ちかけ
たもののようだが、ニューフェルドはまず脚本家と俳優を決
めた上で配給会社の決定を行うとしており、シリーズ得意の
ニューフェルドの企画には、各社の争奪戦が起きそうだ。
        *         *
 そしてもう1本テレビシリーズの映画化は、アメリカでは
1973−77年シーズンに放送された“Land of the Lost”とい
う作品の計画が、ユニヴァーサルで進められている。
 この作品は、“H.R.Pufnstuf”(怪獣島)などで知られる
シド&マーティ・クロフトの製作による子供向けのシリーズ
で、実は本作が日本で放送されたかどうか判らなかったのだ
が、お話は、森林レンジャーの主人公が2人の子供と一緒に
時空の裂け目に落ち込んで恐竜が跋扈する時代に行ってしま
うというもの。この世界からの脱出の道を探るというのが主
テーマになるが、何故か主人公たちに敵対する役柄で、後に
007シリーズでのジョーズ役が話題となるリチャード・キ
ールがレギュラー出演していた。
 またシリーズの脚本には、“Star Trek”を手掛けたD・
C・フォンタナやデイヴィッド・ジェロルド、さらにチェコ
フ役の俳優ウォルター・コーニッグ、SF作家のラリー・ニ
ーヴン、セオドア・スタージョン、ベン・ボーバらも参加し
ていたというものだ。放送は3シーズン44話行われている。
 そして今回の計画では、この夏“Bewitched”(奥様は魔
女)の映画版の公開が予定されているウィル・フェレルの主
演で進めることが発表され、クリス・ヘンシーとデニス・マ
クニコラスの脚本から、フェレルとは“Anchorman”で組ん
だばかりのアダム・マッケイの監督が予定されている。また
製作はクロフト兄弟が行うということだ。
 因にクロフト兄弟は、18世紀から続くアテネの人形劇団の
後継者だそうで、伝統の人形芸が登場するヴァラエティ番組

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05月15日(日)
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