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On the Production
by 井口健二
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■第85回
ュラー式の3Dカードが発行されたことがある。これは“A
New Hope”と、後に“The Phantom Menace”も登場したが、
特に“A New Hope”に関してはオリジナルの2Dのフィルム
から3Dに変換したもので、全63カットのオリジナルのシー
ンと、プロモーション用に2カット、それにラルフ・マカリ
ーのコンセプトアートも1枚3D化されている。
そしてこのカードは、僕も一応全部揃えてみたが、単なる
奥行き感だけでなく、例えばダースヴェイダーの胸部のよう
な丸みのある部分にもそれらしい立体感があり、見事なもの
だった。なお、当初は続けて“The Empire Strikes Back”
の発行も計画されたが、売れ行きの都合でキャンセルされた
ようだ。ただし、“The Empire Strikes Back”と“Return
of the Jedi”からも1枚ずつのプロモーションカードが発
行されている。また、“The Phantom Menace”については、
46カットとプロモーションカードが1枚発行された。
このように、ルーカスは以前から3Dには興味を持ってく
れており、今回、そのルーカスが認めたということは、この
3D版が相当の出来映えということが言えるもので、期待が
膨らむところだ。
なお、In-Three社のプロモーションでは、他に“The Lord
of the Rings”や、1978年製作“Grease”からジョン・ト
ラヴォルタのダンスシーンなども紹介されたということで、
この“Grease”の上映後には、Disneylandの3Dアトラクシ
ョン“Honey, I Shrunk the Audience”も手掛けているラン
ダル・クレイザー監督から、撮影セットに戻ったようだとい
う感想も聞かれたそうだ。さらに、In-Three社からは、1年
以内に第1作の公開を目指すという計画も発表されている。
まあ、結果的にルーカスの発言は、現状では嘘ということ
になってしまったものだが、ロベルト・ロドリゲス監督の作
品やImaxなどで3Dへの認知も進んでいるところでもあ
るし、何とか嘘から出た真になってもらいたいものだ。
* *
さて、以下はいつもの製作ニュースを紹介しよう。
最初は、ロブ・マーシャル監督“Memoirs of a Geisha”
(SAYURI)では、日本人芸者に扮している中国生まれ
の女優コン・リーが、今年中に2本のハリウッド大作に出演
する計画が発表された。
その1本目はマイクル・マン監督による“Miami Vice”。
1984年から89年に放送された人気テレビシリーズを、コリン
・ファレル、ジェイミー・フォックスの共演でリメイクする
この作品では、リーはキューバ人と中国人の混血で、多国籍
の犯罪組織の中でその資金を取り仕切る女性=映画の中では
女性の主役を演じるということだ。撮影は5月からマイアミ
と南米で行われ、映画の中でリーは英語とスペイン語を話す
ことになっている。
因に、オリジナルシリーズでは製作総指揮を担当し、今回
映画版の監督を手掛けるマイクル・マンは、イザベルと名付
けられたリーの役柄について、「心理学的な複雑さと、身体
的な美しさを併せ持ったキャラクターで、リーの持つ雰囲気
そのものだ」と彼女を起用した理由を語っている。
そしてもう1本は、ディノ・デ=ラウレンティス製作によ
るハンニバル・レクター・シリーズの最新作、“Behind the
Mask”。若き日のレクターの姿を描くこの作品では、リー
は孤児院を脱走したレクターがパリで一時身を寄せる叔父の
妻で、レクターに文化的に高度な知識を教育する日本人女性
レディー・ムラサキという役を演じるそうだが、レクターの
人肉食への興味の引鉄となるのだろうか。
なおこの作品は、原作シリーズの作者トマス・ハリス自身
が執筆した脚本をピーター・ウェッバーの監督で映画化する
ものだが、リーの起用に関しては、監督自らがエキゾティッ
クなニューフェイスを希望して見つけ出したということだ。
撮影は9月にプラハで開始される予定で、現在は、それぞれ
8歳、14歳、20歳のレクターを演じる3人の若手俳優をキャ
スティング中となっている。
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04月15日(金)
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