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On the Production
by 井口健二
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■第81回
 お次は、1987年度のアカデミー賞外国語映画部門にノミネ
ートされたノルウェー映画“Ofelas”(アメリカ公開題名は
Pathfinder)がハリウッドリメイクされることになり、その
監督に、昨年公開された『テキサス・チェーンソー』のリメ
イク版を担当したマーカス・ニスペルの起用が発表されてい
る。
 オリジナルは、古代ノルウェー民族が、外敵の侵略によっ
て戦いに明け暮れる日々を描いたものだったそうだが、リメ
イクでは1000年以上前の北欧ヴァイキングとアメリカ先住民
との交流が物語の中心になるということで。ヴァイキングの
一員として北米大陸に渡った少年が仲間に置き去りにされ、
アメリカ先住民に拾われて、白い肌で金髪を棚引かせる長身
のインディアンに成長して行く姿を描くものになるようだ。
 そしてこの脚本を、公開中のオリヴァ・ストーン監督版の
『アレキサンダー』や、ジェームズ・キャメロン監督の次回
作と言われる“Battle Angel”の脚色も手掛けているリータ
・カログリディスが担当することも発表されている。また、
多分主人公を助ける先住民の役で、渡辺謙にオファーを掛け
ているとの報告もあった。
 製作は、元ソニー・ピクチャーズ首脳のマイク・メダヴォ
イが率いるフェニックス。同社では、1950年度のオスカー作
品賞受賞作“All the King's Men”のリメイクを、スティー
ヴ・ザリアン監督、ショーン・ペン主演で、ソニー傘下のコ
ロンビアの配給で製作中だが、本作の配給に関しては未定と
いうことだ。
 因に、ニスペル監督の『テキサス…』は、全世界で1億ド
ル以上を稼ぎ出している。また監督の次回作には、パラマウ
ントから“Need”というサイコスリラーが予定されている。
        *         *
 ニコール・キッドマンに2003年度のオスカー主演賞をもた
らした『めぐりあう時間たち』の原作者マイクル・カニンハ
ムの未刊行の新作“Specimen Days”の映画化権が、前作の
映画化も手掛けた製作者スコット・ルーディンと契約され、
製作が進められることになった。
 因に前作は、作家ヴァージニア・ウルフの時代と50年代と
現代の時間が見事に交錯するものだったが、今回契約された
小説も、過去と現代と、そして未来が舞台となる三部作で構
成されたもので、19世紀のニューヨークに実在した詩人ウォ
ルト・ホイットマンを中心に、第1部では産業革命を背景に
した幽霊物語、第2部では現代の自爆テロリストの物語、そ
して第3部では150年後のニューヨークを訪れる地球外生物
の逃亡者たちの物語が展開するということだ。
 なお、ルーディンは、前作も今回の作品も個人の資金で契
約を結んでいるもので、前作は元々彼が本拠を置くパラマウ
ントで製作されたが、本作の製作会社は未定ということだ。
また原作は、今年の5月に初版50万部でアメリカの出版社か
ら刊行されることになっている。
        *         *
 マイクロソフト社のX-box用に開発され、2001年に発表さ
れた第1作は1280万本(総売り上げ6億ドル)のベストセラ
ーを記録したというヴィデオゲーム“Halo”を映画化する計
画が発表された。
 ゲームはマルチプレーヤーで行われるものだそうだが、基
本的な内容は、マスター・チーフと呼ばれる戦士が、エイリ
アンのグループと戦うというもの。その人気ぶりは、昨年発
表されたゲームの第2作が640万本(昨年度第2位)を売り
上げた他、インスパイアされた小説もすでに3作が発表され
ているそうだ。そして今回の発表では、この脚色を、レオナ
ルド・ディカプリオ主演で映画化された『ザ・ビーチ』の原
作者で、『28日後...』の脚本でも知られるアレックス・
ガーランドが、7桁($)の契約金で担当することが紹介さ
れている。
 なお、この脚本の契約はマイクロソフト社が直に行ったも
ので、今後は完成された脚本と映画化権をセットにして、製
作会社への売り込みを行う計画だそうだ。つまりマイクロソ
フト社としては、任天堂が権利を売り渡して話をめちゃくち

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02月15日(火)
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