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On the Production
by 井口健二
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■クローサー、アナコンダ2、コントロール、シャル・ウィ・ダンス?、さよならさよならハリウッド、オオカミの誘惑
ところが、その蘭の花が咲くのは7年に一度。しかも今回の
花が咲いている期間は、残り2週間。このため急遽、蘭の咲
くボルネオ島に研究者が向かうことになったが…現地は雨季
に入り、蘭の咲く上流に向かう川には濁流と世界最大のアナ
コンダが待ち受けていた。
出演者には、今まで主に脇役を務めていた顔ぶれが集まり、
人気スターはいなくても手堅い演技を見せる。そして彼らを
まとめる監督は、『ホワイトハウスの陰謀』や『X−ファイ
ル』なども手掛けるドゥワイト・リトルで、これも手堅い。
つまりこういう手堅さが、映画全体の雰囲気をしっかりと保
たせるし、二番煎じの作品とは言っても、不足のない作品を
作り上げている。確かに俳優に華やかさが欠ける部分はある
が、逆にワニから蜘蛛からアナコンダまで、次々繰り出して
くる手際の良さは、まさにエンターテインメントと言う感じ
の作品だ。
衛星回線の電話が圏外になるというような、おやおやという
描写はあるけれど、全体的には悪くない感じだった。なおジ
ャングルシーンの撮影は、フィジー島で行われている。
『コントロール』“Control”
『ハンニバル』のレイ・リオッタと、『スパイダーマン』の
ウィレム・デフォー。2人のハリウッドを代表する怪優が共
演した心理サスペンス。他に、『S.W.A.T.』のミシ
ェル・ロドリゲス、『クライング・ゲーム』のスティーヴ・
レイらが共演。
凶悪犯罪者の凶暴さを鎮め、善人に復帰させる新薬が開発さ
れ、死刑となったはずの殺人犯に投与される。そして法律上
は死者である男には薬の効果が存分に現れ、ついに一般社会
に出られるまでになるが…
ところが男は監視の目をくぐって奇妙な行動を取り始める。
果たして新薬は効果を挙げているのか、それとも全ては男の
演技なのか、被験者と新薬を開発した研究者との心理戦が始
まる。
アメリカが舞台の作品ではあるのだけれど、実は撮影はブル
ガリアで行われていて、製作会社の最後にはGmbHと付いてい
る。と言うことで、いろいろ怪しげな作品なのだが、何と言
うか見ていて気持ちの良い、素敵と言うのも変だがそんな感
じの作品だった。
別段、リオッタとデフォーの演技が良いとも思えないし、特
にリオッタの大袈裟な表情、演技には、この人を持ち上げる
連中の気が知れないとも思うのだが…でも今回は、元々が夢
物語のようなお話の中で、それなりにはまっていたようにも
感じた。
それよりも、有りがちとは言えここに提示される物語の展開
のうまさと言うか、脚本家の心の中に有る心情への共感みた
いなものが、僕には心地よかったとも言える。特に、何度か
描写される回想シーンの最後の最後の場面に心を引かれた。
脚本は、『ヤング・スーパーマン』なども手掛けているトッ
ド・スラヴキン、ダーレン・スイマー。この名前は記憶に留
めて置きたい。
『シャル・ウィ・ダンス?』“Shall We Dance”
1996年の日本アカデミー賞で、全13部門を総嘗めにした周防
正行監督作品のハリウッド版リメイク。
日本版では、役所広司、草刈民代、原日出子、竹中直人、渡
辺えり子という面々が演じた役を、リチャード・ギア、ジェ
ニファー・ロペス、スーザン・サランドン、スタンリー・ト
ゥッチ、リサ・アン・ウォルターらが演じる。
『ザ・リング』の時もそうだったが、この作品も、主人公の
設定などはアメリカ的に直されているものの、主なエピソー
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02月14日(月)
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