ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■最後の晩餐、クライシス・オブ・アメリカ、レーシング・ストライプス、フレンチなしあわせのみつけ方
オリジナルは朝鮮戦争だったようだが、リメイクは湾岸戦争
を背景に、さもありそうな物語が展開する。まあ背景はヴィ
エトナムでも、パナマでも良かった訳で、今イラクで起きて
いてもおかしくはない。こうしてみるとアメリカは、実によ
く戦争をしている国だ。                
ただ、オリジナルはもっと単純に洗脳の問題を扱っていたは
ずだが、そこにインプラントチップのアイデアを持ち込んだ
のはちょっとやりすぎの感じもする。現代技術の恐怖を盛り
込みたい気持ちは解かるが、ちょっと絵空事になってしまう
心配が生じた。                    
もちろんこのような技術が研究されていることは事実なのだ
ろうし、ジョナサン・デミ監督が全くの絵空事を描く監督で
ないことは承知しているが、普通の観客がこれをどう捉える
かは、多少微妙なところだろう。            
しかし微妙とは言えこのような問題(conspiracy theory?)
を、ここまで大真面目に描けるのも、デミ監督の魅力という
ところで、フランケンハイマー監督の跡を継ぐ資格は充分に
あると言えそうだ。                  
なお、オリジナルではアンジェラ・ランズベリーがオスカー
候補になった母親役を、今回はメリル・ストリープが演じて
いるが、残念ながら今回は候補にはなれなかったようだ。 
                           
『レーシング・ストライプス』“Racing Stripes”    
競争馬を目指すシマウマの活躍を描く動物ファンタシー。 
主人公は、嵐の夜に事故で混乱したサーカス団に置き去りに
されたシマウマの子供。これを保護したのは、ケンタッキー
州で牧場を営むやめもの男。そしてシマウマは、男の一人娘
の手で育てられるが、いつしか丘から見える競馬場で走るこ
とを夢見るようになる。                
実は男は、何頭もの優秀な競争馬を育てた調教師だったが、
騎手だった妻を競馬中の事故で亡くし、以来調教を止めて、
娘にも乗馬を禁じていた。しかし…           
これに、『夢見る小豚ベイブ』以来お馴染みとなった動物に
喋らせるCGI技術を使い、気位の高いサラブレッドのいじ
めに合ったりして、何度も挫折しそうになる主人公が、大レ
ースに挑戦して行く姿を描くものだ。          
そして今回は、主人公のシマウマの声を、『エージェント・
コーディ』に主演したフランキー・ムニッズが演じる他、彼
を助ける牧場の動物たちの声を、ダスティン・ホフマン、ウ
ーピー・ゴールドバーグ、マイクル・クラーク=ダンカンら
が担当して、雰囲気を盛り上げている。         
またコメディリリーフ的な蠅のコンビには、テレビでの実績
のあるコメディアンが声を充てていて、かなりどぎついギャ
グも飛び出してくる。                 
サラブレッドとシマウマが本当に競争してどちらが勝つかは
知らないが、ただ走るだけの能力しかないシマウマを競争馬
に仕上げて行く訓練の様子や、また限界まで来ている競技者
を最後に奮い立たせるテクニックなど、それなりに納得でき
るシーンもあって楽しめた。              
                           
『フレンチなしあわせのみつけ方』           
   “Ils se marierent et eurent beaucoup d'enfants”
2001年に、実生活の妻である女優シャルロット・ゲインズブ
ールを主人公に『僕の妻はシャルロット・ゲインズブール』
を発表した俳優監督のイヴァン・アタルが、再びゲインズブ
ールを主演に起用して発表した作品。          
といっても本作は、前作の続編という訳ではなく、パリに住
む3人の男性と、その妻や愛人たちが繰り広げる人間模様を
スケッチ風に綴ったもの。日本のテレビ風に言えば、トレン
ディドラマといった感じの、他愛もない恋愛物語が進むもの

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01月31日(月)
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