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On the Production
by 井口健二
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■サスペクト・ゼロ、ナショナル・トレジャー、コーヒー&シガレッツ、カナリア、MAKOTO、清風明月、失われた龍の系譜
エジプト・ファラオの時代から、アレキサンダー大王、十字
軍のテンプル騎士団などを経て、フリーメイソンがアメリカ
に持ち込んだと言われる隠し財宝の話は、日本で言えば徳川
の埋蔵金のようなもので、アメリカで今も追い続けている人
たちはいるようだ。
そんな隠し財宝の話だが、背景は現代、このセキュリティ万
全の時代に、その裏をかきながらの謎解きの展開は、成程う
まい話を思いついたものだ。しかも、冒険からアクションま
でてんこ盛りのストーリーが繰り広げられるのだ。
『インディ・ジョーンズ』だって、背景を少し前の時代にし
なければならなかったのに、この作品では、堂々と現代を舞
台にそれをやってのけている。その点にまず喝采したいとこ
ろだ。
その上で、次々登場する謎には全てアメリカ建国の秘話が絡
まり、一方、三つ巴となる追跡劇には、現代アクション映画
の見所が詰め込まれている。今のアメリカ人が熱狂する全て
が納められた作品と言うところだろう。
当然、日本人の僕らにはアメリカ建国の歴史などピンと来な
い部分もあるが、それを差し引いてもと言うか、そんなこと
は気にしなくても、存分に楽しめるアドヴェンチャー・アク
ション作品になっているところも見事だった。
また、独立記念館やリンカーン記念館、国立公文書館、アメ
リカ議会図書館などの内部が現地ロケで納められているのも
素晴らしい。
製作はジェリー・ブッラカイマー、監督はジョン・タートル
トーブ。主演はニコラス・ケイジ、相手役に『トロイ』のヘ
レン役のダイアン・クルガー。他に、ショーン・ビーン、ハ
ーヴェイ・カイテル、クリストファー・プラマー、ジョン・
ヴォイトらが共演する。
因にヴォイトは、『トゥームレイダー』に続いて、トレジャ
ー・ハンターの父親役というのも面白いところだ。
アドヴェンチャー・アクション作品では“Indy 4”の登場も
待たれるところだが、こんな作品が登場してしまうと、また
踏ん切りを着けるのが大変になってしまいそうだ。
『コーヒー&シガレッツ』“Coffee and Cigarettes”
ジム・ジャームッシュ監督が、1986年から撮り始めた短編連
作。上映時間1時間37分の中で11の物語が綴られる。
元々は『サタデー・ナイト・ライヴ』からの依頼で第1作を
撮ったもののようだが、その時点でシリーズ化を思いつき、
以来20年近い歳月を費やして撮られたというもの。
内容は、題名の通りコーヒーとタバコに因んだもので、登場
人物たちはコーヒーを飲み、タバコを吸いながら会話を進め
るが、それが徐々に紅茶になったり、タバコの吸い過ぎは良
くないというせりふが出てくるなど、変化して行くところも
面白かった。
出演は、第1作は『ダウン・バイ・ロー』の頃らしくロベル
ト・ベニーニと、相手役が俳優監督のスティーヴン・ライト
に始まって、撮影順では最後がケイト・ブランシェットが2
役を演じる作品と、スティーヴ・クーガンとアルフレッド・
モリーナのエピソードになるようだ。
他にも、スティーヴ・ブシェミ、ビル・マーレイといった俳
優から、イギー・ポップ、トム・ウェイツらのミュージシャ
ンまで多彩な顔ぶれが登場する。
中でも、ブランシェットが演じる2役は、合成で互いに対話
をするというもので、その間の取り方などは、編集のテクニ
ックもあるのだろうが見事だった。
また、クーガンとモリーナは、ちょうど『24アワー・パーテ
ィ・ピープル』の頃らしく、モリーナがクーガンを立てる形
になっているが、『フリーダ』『スパイダーマン2』が出た
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12月14日(火)
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