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On the Production
by 井口健二
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■第76回
を務めているジェームズ・マクティーグが担当、本作で監督
デビューすることになっている。つまり本作では、兄弟は製
作のみの担当だが、この製作にはジョール・シルヴァも加わ
っており、『マトリックス』と同様の体制になるようだ。
 因に原作者のモーアは、1980年代の前半にDCコミックス
に加わった初めてのイギリス出身のライターということで、
当時すでにウェス・クレイヴン監督の映画化などで人気のあ
った“Swamp Thing”を、異形でありながら人間味のある怪
人として成功させ、さらに1988年にはシリーズの中では最も
人気が高いという“Batman: The Killing Joke”のグラフィ
ック・ノヴェルの原作も担当している。
 また、モーア原作のグラフィック・ノヴェルからは、ジョ
ニー・デップの主演で、2001年に公開された“From Hell”
(フロム・ヘル)や、昨年ショーン・コネリー主演で公開さ
れた“The League of Extraordinary Gentlemen”(リーグ
・オブ・レジェンド)などが映画化されているものだ。
        *         *
 そして、このモーア原作によるグラフィック・ノヴェルか
らはもう1本、パラマウントで“The Watchman”という作品
の映画化も進められている。
 この原作は、1986年11月から87年10月まで、月刊で12巻の
みが発表された作品だが、モーアの原作の中でも最も成功し
た作品とも言われている。内容は、こちらも第2次世界大戦
後の1950年代を背景にした作品で、普通の人間が変身するタ
イプのスーパーヒーローもの。現実とはちょっと違う世界を
舞台に、仮面を着けるとスーパーパワーを発揮する主人公が
活躍する物語のようだ。
 そしてこの計画も、実は以前から進められていたもので、
3年ほど前にはユニヴァーサルで、『X−メン』のデイヴィ
ッド・ハイターの脚本が契約されていた。しかしユニヴァー
サルでの映画化は実現せず、その後、権利はパラマウントに
移転され、同社では1998年に公開された“Pi”(π)などの
ダーレン・アロモフキーの監督で進めることになっていた。
ところがアロモフスキーは、このページでも以前から紹介し
ている自らの企画の“The Fountain”を進めたいという意向
が強く、10月に正式に降板を表明してしまったものだ。
 そこで後任の監督が検討されていた訳だが、この監督に、
この夏公開の“The Bourne Supremacy”が1億7500万ドルの
大ヒットを記録したポール・グリーングラスの起用が発表さ
れた。なお、グリーングラスはイギリス出身で、以前の作品
では1998年にヘレナ・ボナム=カーターとケネス・ブラナー
の共演で製作された“The Tehory of Flight”(ヴァージン
・フライト)が知られているが、この作品では難しいテーマ
を見事な手際で演出したと記憶している。今夏の新作は未見
だが、この監督なら本作も期待が持てるという感じだ。
        *         *
 お次は、前回“The Fantastic Mr.Fox”を紹介したロアル
ド・ダール原作の映画化の計画が、その後も続々と発表され
ている。
 まずは続報で、前回報告した“The Fantastic Mr.Fox”に
関連して、その後『ジャイアント・ピーチ』のヘンリー・セ
レックによる共同監督が発表された。前回は、ストップモー
ションアニメーションということで危惧を書いたが、これな
ら鬼に金棒どころか、万全の体制と言えそうだ。
 続いて新たに発表された計画で、1本目は“The Twits”
という作品。これは余り上品とは言えないカップルと、彼ら
が所有する動物たちの不幸な音楽隊の物語ということだが、
その映画化が、元モンティ・パイソンのジョン・クリーズの
脚色、主演により、実写とアニメーションの合成で計画され
ている。監督には“Ali G Indahouse”のマーク・マイロッ
ドが起用され、製作は『シュレック』のジョン・ウィリアム
ス、製作会社はディズニーということだ。
 2本目は“The B.F.G.”。このタイトルは、Big Friendly
Giantの略称ということで、内容もその通りの優しい巨人が

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12月01日(水)
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