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On the Production
by 井口健二
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■第75回
マイク・ジェフリーズ、エイドリアン・ブッチャーの原案か
ら、1991年にアラン・パーカーが監督した『ザ・コミットメ
ンツ』のディック・クレメントとイアン・ラフレナイスが脚
本を担当。『ジャッジ・ドレッド』等のダニー・キャノンが
監督する。総製作費は1億ドルで、第1作は2005年1月に撮
影開始されて8月に公開される予定。
物語は、イーストロサンゼルスに育った少年が、サッカー
のスキルを発揮して、やがてイギリスの名門ニューカッスル
・ユナイテッドの選手になるというもの。また、最初の2作
はニューカッスル・ユナイテッドとスペインのレアル・マド
リードの対抗試合を中心に進められるが、2006年6月に公開
予定の第3作では、同年開催されるドイツワールドカップを
背景にしたものになるということだ。
主演は、『天国の口、終わりの楽園』のディエゴ・ルナ。
同作でもサッカーに興じるシーンがあるが、今回の撮影に向
けてニューカッスルの練習に参加、プロ選手としてのスキル
を身に付けているそうだ。FIFA(国際サッカー連盟)の
正式後援も受けた作品で、アメリカでは今一つのサッカー人
気に火を点けたいという思惑もあるようだ。
因に、ベッカムは3部作の全てに出演する契約になってい
るということだが、この契約にあたって本人からは「自分は
将来、子供にサッカーを教える仕事をしたいと考えており、
この3部作は世界中の子供たちに前向きなメッセージを送る
ものになる」というコメントが出されているそうだ。
また、この3部作の製作では、メル・ギブスン主宰イコン
社のパートナー、ブルース・デイヴィが共同製作に加わって
おり、デイヴィは、興行的に難しいとされた『パッション』
を成功に導いたビジネスモデルを活かして、この作品も成功
に導きたいとしている。上記のようにアメリカでは今一つの
サッカー人気だが、この映画の成功が注目されるところだ。
* *
来年“Charlie and the Chocolate Factory”(チョコレ
ート工場の秘密)の映画化が公開されるロアルド・ダールの
原作で、1970年に発表された“The Fantastic Mr.Fox”(父
さんキツネばんざい)を、ストップモーションアニメーショ
ンで映画化する計画が発表された。
この計画は、2001年公開の『ザ・ロイヤル・テネンバウム
ズ』などのコメディ作品がアメリカでは高く評価され、ディ
ズニー製作の海洋アドヴェンチャー作品“The Life Aquatic
With Steve Zissou”が近日公開されるウェス・アンダース
ン監督が、元ディズニーのジョー・ロス主宰のレヴォルーシ
ョンで進めるもので、両者にとっては初のアニメーション作
品になるようだ。
お話は、人里近くに住むキツネ一家のお父さんと、3人の
農場主とのニワトリを巡る攻防戦を描いたもので、最初のニ
ワトリを奪うところから、話がどんどんエスカレートして行
く様子など、ダールらしい機知と多少の毒も含まれた作品。
因に、ダール原作によるストップモーションアニメーショ
ン作品では、1996年に公開された『ジャイアント・ピーチ』
(James and the Giant Peach)が有名で、本作はそれに続
く作品になることが期待されるものだが、準備状況は、アン
ダーソンと、“Aquatic”でも組んだノア・バウムバックに
よる脚本は、これから執筆されるということで、作品の完成
までにはまだ時間が掛かりそうだ。
なお、アンダースンは、ロスがディズニー社々長だった当
時に、アニメーションに適した感覚の持ち主として採用し、
一時はピクサーに籍を置いたこともあるそうだが、本人がア
ニメーションを志向せず、実写の監督になっていたそうだ。
しかしディズニーとの契約が切れたところで今回の原作に遭
遇し、この原作はアニメーションの映画化に適していると判
断して、予めダールの遺族から映画化の許可を得た上で、昔
の付き合いのロスに企画を持ち込んだということだ。
従って、アニメーションの製作については本人が熟知して
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11月15日(月)
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