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On the Production
by 井口健二
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■第73回
ン・ホフマン共演で映画された“Papillon”とも比較されて
いたが、一部は作者の実体験に基づいた物語ということで、
かなり波乱万丈の面白そうなお話だ。ただしこの原作は、実
はオーストラリアでは03年8月に出版されていたが、その時
は誰も目をくれなかったもの。しかし、今秋アメリカでの出
版が決まって俄然注目を集めるものになったということだ。
 そしてこの作品に惚れ込んだデップが、ワーナー傘下のプ
ロデューサーのブラッド・グレイに映画化権の獲得を依頼。
一方、オーストラリア出身のラッセル・クロウの代理人らも
参加しての争奪戦の結果、グレイが最高額を付けて権利を獲
得したというものだ。なお、契約にはロバーツが脚本を書く
ことも含まれているようだ。
 製作は、グレイとブラッド・ピット、ジェンファー・アニ
ストンが主宰のプランBが担当。また配給は、アメリカ国内
はワーナーが担当するものの、海外は今回の映画化権の獲得
にワーナーと共同で加わったイニシャル・エンターテインメ
ントという会社が扱うようだ。
 因に、デップの作品では、日本では現在『シークレット・
ウインドウ』が公開中だが、すでに“Finding Neverland”
と“The Libertine”の2作が完成して公開待機中。さらに
“Charlie and the Chocolate Factory”の撮影は最終段階
ということで、“Corpse Bride”の声の出演も終了している
と思われる。
 しかしこの後には、来年早々から2作同時で撮影される計
画の“Pirates of the Carribean”の続編が予定されている
他、デップ自ら製作にも乗り出す“Happy Days”や、“The
Diving Bell and the Butterfly”などの計画も発表されて
おり、今回の作品は何時になったら見られるのだろう。
        *         *
 “Spy Kids”シリーズで、お子様映画に新風を吹き込んだ
ロベルト・ロドリゲス監督が、同シリーズの完結を受けて新
たな計画を発表した。
 新作の題名は、“The Adventures of Shark Boy and Lava
Girl in 3-D”。お話は、クラスメートから無視されて夏休
みを1人で過ごさなければならなくなった10歳の少年が、タ
イトルになっている想像上の2人の友達と共に、夢を現実に
できることを証明するためのミッションを続け、それを実現
するというもの。しかも題名にもある通り、“Spy Kids”の
第3作と同じく3Dで撮影される計画のようだ。
 出演は、テイラー・ドゥーリー、テイラー・ロウトナー、
カイデ・ボイドの3人の新人に加えて、ABCテレビで自ら
の名前の付いたショウ番組が放送されている人気者のジョー
ジ・ロペス。撮影は、テキサス州オースチンにあるロドリゲ
ス自前のトラブルメイカースタジオで9月27日に開始され、
全米公開は来年6月10日と、配給元のミラマックス(ディメ
ンション)から発表されている。
 なお、その前の4月1日には、最終的にE・R・バロウズ
原作『火星』シリーズの映画化からの降板などの問題を引き
起こすアメリカ監督協会とのトラブルで、協会脱退の故とな
ったロドリゲス監督の大人向けの新作“Sin City”の公開も
予定されている。
        *         *
 マイク・ニコルズ監督とジュリア・ロバーツのコンビで、
ロマンティックコメディの計画が発表されている。
 作品の題名は“Seven-Year Switch”。この題名は、マリ
リン・モンロー主演作品でも有名なsven-year itch(七年目
の浮気)から採られたものだが、この成句は、「倦怠期」と
いうような意味合いで一般的に使われているものだ。そして
本作では、ロバーツ扮する結婚7年目を迎えた女性が、過去
の人生の節目で別の選択をしていたらどうなっていたかを考
えるという内容で、スーザン・ウォルターという脚本家の作
品を映画化することになっている。
 本作の紹介文を最初に読んだときには、何となく1986年の
フランシス・フォード・コッポラ監督作品“Peggy Sue Got
Married”(ペギー・スーの結婚)を連想した。本作の詳細

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10月15日(金)
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