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On the Production
by 井口健二
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■第72回
 その一つは、前回はあまり冴えないとは書いたものの、や
はり007シリーズで、ここでソニーが一時期に狙っていた
“Thunderball”のリメイクは今更と思うが、実は1967年に
製作された“Casino Royale”が、イアン・フレミングの原
作の中では唯一まともに映画化されていない作品として残っ
ている。この67年作品は、元々が1954年に製作されたテレビ
ドラマ(007の最初の映像化作品)のリメイクなのだが、
007のパロディとして製作された映画は当時コロムビアが
配給し、現在もその権利を所有している。従ってコロムビア
とMGMが統合されたら、この作品の本格的なリメイクは、
かなり実現性が高そうに思えるのだが…。
 以上、ソニーのMGM買収について、自分の考えを書いて
みました。
        *         *
 以下は、いつもの製作ニュースを紹介しよう。
 まずは、ジョナサン・モストウ監督が、2005年の撮影開始
で“Terminator 4”の準備を進めていることが公表された。
 準備の状況は、脚本を『T3』の最終稿を仕上げたジョン
・ブランカートとマイクル・フェリスが担当しているという
もので、前作の結末からの進展が描かれる脚本の準備稿は、
すでに完成されているということだ。
 ただし出演者では、前作主演のニック・スタール、クレア
・デインズに続編の契約がしてなかったという情報もあり、
一方、カリフォルニア州知事となったアーノルド・シュワル
ツェネッガーの出演は?もっともこちらは、クリスタナ・ロ
ーケンが引き継いでくれれば、それもいいと思うのだが…。
 製作は、前作で権利を確立したマリオ・カサール、アンデ
ィ・ヴァイナのC−2プロダクションとインターメディア。
配給はインターメディアが取り仕切るが、前作同様、アメリ
カ地区はワーナー、海外はソニーが担当することで話し合い
が行われるようだ。ただし、海外の一部地域では別の権利が
確立しており、日本は東宝東和が行うことになるようだ。 
 なお、このシリーズは言うまでもなくジェームズ・キャメ
ロン監督が創始したものだが、前作から引き継いだモストウ
が“T4”を完成すると監督本数は2対2となり、名実とも
にモストウのシリーズになってしまいそうだ。
        *         *
 ユニヴァーサルが来年夏の公開を目指しているヴィデオゲ
ームの映画化“Doom”の監督に、ポーランド出身で元撮影監
督のアンジェイ・バートコウィアクの起用が発表され、10月
半ばからの撮影が予定されている。
 この作品は、アクティヴィジョン社から発表されている同
名のゲームシリーズの内、“Doom 3”として発表された作品
に基づくもので、特殊作戦に従事する兵士を主人公にしたア
クション映画になりそうだ。
 そしてこの主演には、ニュージーランド出身で『リディッ
ク』などに出ていたカール・アーバンが抜擢された。また、
女性科学者役で『ダイ・アナザー・デイ』やジョニー・デッ
プ主演の新作“The Libertine”にも出演しているロザムン
ド・パイク、さらにドウェイン“ザ・ロック”ジョンスンの
共演も予定されている。
 なお監督のバートコウィアクは、ジェット・リー主演で昨
年公開された『ブラック・ダイヤモンド』など、アクション
映画の監督で実績を積んでいるが、今回は前任監督の急な降
板を受けての起用で、期待に応えたいところだ。またザ・ロ
ックには、ジョン・ウー監督で同じくヴィデオゲームの映画
化“Spy Hunter”の計画もあったはずだが、どうなっている
のだろう。
        *         *
 昨年春に公開されて、全米で1億ドル突破の大ヒットを記
録したパラマウント映画“How to Lose a Guy in 10 Days”
(10日間で男を上手にフル方法)の続編が計画されている。
 この続編は、前作と同じくミシェル・アレクサンダーとジ
ーニー・ロングが発表したユーモアブックに基づくもので、
本の題名は、“How to Tell He's Not the One in 10 Days

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10月01日(金)
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