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On the Production
by 井口健二
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■血と骨、パニッシャー、クリスマス・クリスマス、ナイトメア・ビフォア・クリスマス、巴里の恋愛協奏曲、ターンレフト・ターンライト
いろ人間的に描かれているのも面白いが、シリーズ化された
ら毎回の敵役が楽しみになりそうだ。
『スパイダーマン』などよりは、もう少し年齢層が上の観客
を狙った作品と思われるが、その手のアクションものにも関
わらず、ベッドシーンが全く無いというのもすがすがしいも
のだった。また、使用される銃器にもかなり凝ったものが使
われていたようだ。
『クリスマス・クリスマス』
WAHAHA本舗の座付作家すずまさ原作によるファンタスティッ
ク・ラヴコメディ。
主人公は、恋も仕事も倦怠期の男。そんな男がある日、ふと
したことから「ファンタジー保存協会」なる秘密組織に関わ
り、その理念に賛同して、一緒に活動することになる。
「ファンタジー保存協会」とは、UFOやネッシーから、カ
ッパ、ツチノコに至るまで、世界中のファンタスティックな
出来事を演出(捏造)して、ファンタジーを保存しようとす
る世界的な組織。当然その存在は秘密で、その秘密保持に失
敗すると、組織からの除名と、本部が研究開発したプチ魔法
による「おしおき」が待っている。
ところが彼の関わった支部は、秘密の保持に失敗。除名と恐
怖の「おしおき」を回避するためには、組織の最大イヴェン
トであるクリスマスの日、プレゼント配りでのノルマ達成し
かないことになるが…。
アイデアは悪くないし、物語の展開もさほどの破綻もなく良
くまとまっている。本部から届いた封筒が状況に応じて変色
したり、プチ魔法が実在していたりという辺りの、展開の押
さえも上手く機能している。さすが長く芝居を書いている人
の作品という感じだ。
出演は、主人公に大倉孝二、その恋人に伊藤歩、彼女の周辺
の人の役で柴田理恵。一方「保存協会」側には、近藤芳正、
生瀬勝久、古田新太ら。他に久本雅美、マギーなどの劇団系
の役者が脇を固めている。
監督は、ミュージックヴィデオやTVCF演出を手掛け、本
作が映画初演出の山口博樹。最近、この種の日本映画を見る
機会が増えているが、当り外れも大きい中で、今回は当りの
方に入りそうだ。
『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』
“The Nightmare Before Christmas”
1993年、『バットマン』の成功で力を得たティム・バートン
が、独自の企画で作り上げた人形アニメーション。その日本
公開10周年を記念した再上映が行われる。
クリスマスの約2カ月前に行われるハロウィン。幽霊や怪物
たちが我がもの顔に町を歩き回るこのお祭りを仕切るのは、
ハロウィンタウンの住人たち。しかし、そのリーダーのカボ
チャ大王ジャックは自分のやっていることに虚しさを感じて
いた。そして、ふと紛れ込んだクリスマスタウンの活気に、
自らその町のリーダーになり替わることを試みるが…。
監督は、同じくバートンが製作したロアルド・ダール原作の
映画化『ジャイアント・ピーチ』も手掛けたヘンリー・セリ
ック。セリックは現在、バートンの新作“Corpse Bride”も
製作しているヴィントン・スタジオに所属しているが、本作
は彼らのコラボレーションの原点とも言える作品だ。
十年一昔とは言うけれど、この手の作品が色褪せることは全
く無い。自分が良かれと思ってしたことが酷い結果を生んで
しまう。でも、過ちを認めることが何より大事、そんなメッ
セージが見事に描かれた作品。
またジャックを中心に、幽霊犬のゼロや、ジャックに思いを
寄せるサリーなどのキャラクターは今見ても素晴らしい。
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09月29日(水)
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