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On the Production
by 井口健二
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■第67回
“King Tut”という作品も担当しているようだ。
* *
1954年にジョージ・パル製作、バイロン・ハスキン監督、
チャールトン・ヘストン、エレノア・パーカー主演で映画化
された“The Naked Jungle”(黒い絨毯)を、『アルマゲド
ン』などの脚本家ジョナサン・ヘンスレイの脚本監督でリメ
イクする計画が発表されている。
オリジナルは、カール・ステップヘンスンという作家の短
編小説を映画化したもので、1901年を時代背景にして、南米
奥地のジャングルで農園を経営する男(ヘストン)と、彼の
許に手紙だけを頼りにやってきた花嫁(パーカー)の愛憎ド
ラマを軸に、突如その農園に襲いかかる集団殺人蟻マラブン
タの恐怖を描いたもの。黒い絨毯のように野山を覆いながら
進む集団蟻を、当時最新の特撮技術で描いていた。
因に、パル=ハスキンのコンビは、特撮映画として多様な
ジャンルの作品を手掛けたが、その中で本作は動物パニック
映画の走りとも呼べるものだ。そして今回リメイクを手掛け
るヘンスレイは、「オリジナルは、今見ても充分通用する作
品と思うが。リメイクでは最新のCGIエフェクトを導入し
て、さらに次元の違った作品にしてみせる」と抱負を語って
いる。
なお、本作はパラマウント傘下のアルファヴィルというプ
ロダクションで製作されるが、同社では、先にマーヴェル・
コミックス原作の映画化で、ヘンスレイが監督デビューを飾
った“The Punisher”も手掛けている。
* *
もう1本、パラマウント映画のリメイクで、これもC・ヘ
ストン主演の1956年作品“The Ten Commandments”(十戒)
の再映画化が計画されている。
旧約聖書の記述に基づくオリジナルは、ヘストンの他、ユ
ル・ブリナー、アン・バクスター、エドワード・G・ロビン
スンらが共演、セシル・B・デミルの監督で、同年のアカデ
ミー賞では、作品賞を含め7部門でノミネートされ、特殊効
果賞を受賞している。
ファラオ支配のエジプトを舞台に、神の啓示を受けたモー
ゼが、圧制に苦しむユダヤの民を率いて紅海を渡り、彼らを
イスラエルへと導く。そしてその間に、神から十戒を授けら
れるという物語。これを、当時70ミリに対抗して開発された
ヴィスタ・ヴィジョン方式の大型画面で映像化したもので、
古代エジプトでの巨大な神殿を建設するシーンや、紅海を渡
る場面で海が2つに割れるシーンなどの、オスカーを受賞し
た特殊効果は圧巻だった。
因に、デミルは、1923年にも同じ題材を映画化しており、
56年作品はそのリメイクということになっているが、23年作
は2部構成で、全体が146分の上映時間の中の古代エジプト
のシーンは第1部の35分間のみ、また製作もパラマウントで
はないために、今回の計画では1956年作品のリメイクとされ
ているようだ。
そして今回の計画を進めるのは、『ザ・デイ・アフター・
トゥモロー』の製作者マーク・ゴードンと、『ライフ・オブ
・デビッド・ゲイル』の脚本家チャールズ・ランドルフ。こ
の2人の顔合せでは、かなり現実的な物語になりそうだとい
う観測もあるようだが、実はデミルの23年作の第2部では、
舞台を映画製作当時の現代にして、十戒と当時の人々との関
わりを描いていたということで、一体どんなリメイクになる
か楽しみというところだ。
* *
“Astroboy”“Speed Racer”に続いて、こちらも待望久
しい日本アニメーションの実写ハリウッド版の計画で、フォ
ックスが進めている“Dragonball Z”(ドラゴンボールZ)
に、ベン・ラムゼイという脚本家の名前が発表された。
ラムゼイは、1998年にコロムビアが公開した『ビッグ・ヒ
ット』などの作品で知られるが、現在コロムビアで進められ
ているマーヴェル・コミックスの映画化“Luke Cage”や、
同じくコロムビアで進行中の“Static”という作品も手掛け
ているようだ。つまり、コロムビア育ちの脚本家がフォック
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07月15日(木)
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