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On the Production
by 井口健二
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■ぼくセザール10歳半1m39cm、MIND GAME、マッハ!!!!!、CODE46、好きと言えるまでの恋愛猶予
何しろハチャメチャな物語が、結構調子良く展開する。原作
がどんなものか知らないが、作品の雰囲気は、『クレしん』
に通じるところがある。その『クレしん』の新作も評判が良
いようだが、本作もエネルギッシュで結構面白かった。
絵の雰囲気をどんどん変えていったり、どちらかというと実
験的な部分もあるが、それぞれが様になっていて、全体を通
してはバランスが良かった感じだ。そしてクライマックスに
向かっての盛り上げ方が尋常ではなく見事だった。
ヴォイスキャストを、主人公役の今田耕司を始め、吉本の芸
人がやっていて、それを聞いたときはちょっと引いたものだ
が、やたらと長台詞がある割りには、どうしてなかなかの出
来だった。そして長台詞もあまり押しつけがましくなく、全
体の感じは良かった。
押井作品など、結構重い感じの日本アニメ作品が海外進出し
ているようだが、直接『クレしん』の進出は難しくても、こ
のような作品も海外に出すことは考えてほしいものだ。日本
語の文字もシーンは英語に直せば良いし、その突破口にもな
れる作品と思う。
『マッハ!!!!!』“Ong-Bak”
タイ製作で、本場のムエタイの技をとことん見せてくれる格
闘技アクション映画。
タイで撮影された『モータルコンバット2』で、主人公のス
タントダブルも務めたことがあるというスタントマン=トニ
ー・ジャーの初主演作品。
タイの素朴な田舎の村から、村の守護神の仏像の頭部が盗ま
れる。それを取り戻すべく、一人の村の青年が犯人の住む首
都バンコックへ向かうのだが…。着いて早々、身を寄せた村
出身の男に、村人たちのなけなしの金品を集めた餞別を盗ら
れてしまう。
その金を取り返そうと賭けムエタイの闘技場に足を踏み入れ
た青年は、一撃で前チャンピオンを倒してしまう。しかし、
ムエタイを危険な技として禁じられている青年は、賞金には
目もくれず仏像の頭を盗んだ犯人を捜し求める。
これに仏像の盗掘や密輸を企む裏社会の顔役などが絡んで、
物語は、主人公と裏社会との闘いへと発展して行く。
ジャーは、元々ジャッキー・チェンに憧れ、タイ映画界のス
タントマンの元祖と言われる人物を師として、訓練を積んで
きたということで、正に満を持しての主演作。しかもこうい
う経緯なので、映画的なアレンジは抜群、見ていて本当に面
白い映画だった。
実は、試写前の舞台挨拶でジャー本人によるムエタイの演舞
があり、そこでとんでもない身体能力を見せられていた。従
って、僕らは映画に登場するアクションもすべて本物と確認
できている訳で、その迫力は最高だった。
夏の一般公開前にも、再来日してプロモーションを行うとい
うことだが、是非とも上手いプロモーションを行って、この
迫力を一般の観客にも伝えて欲しいものだ。
映画の展開は、格闘技アクションだけでなく、街中での追い
かけっこなどもふんだんに取り入れられている。これらはジ
ャッキー映画で何度も見ているような気もするが、ジャッキ
ー本人がすでにこういうシーンを作らなくなった昨今では、
久しぶりに堪能できたという感じで、うれしかった。
すでに第2作も製作中ということだが、舞台挨拶に立った俳
優も監督も素朴そうで、思い切り支援したくなるような作品
だった。
『CODE46』“Code 46”
『ウェカム・トゥ・サラエボ』などで注目を浴びるマイクル
・ウィンターボトム監督による近未来SF作品。
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05月31日(月)
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