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On the Production
by 井口健二
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■第63回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 今回は、ちょっと喝采したくなったこんな話題から。
 ジョニー・デップ主演で、昨年度全米興行成績で実写No.1
の大ヒットとなった『パイレーツ・オブ・カリビアン』の続
編“Pirates of the Caribbean: The Treasure of the Lost
Abyss”に、ローリング・ストーンズのギタリスト、キース
・リチャーズの出演が取り沙汰されている。
 この作品では、元々前作で海賊船の船長役をオファーされ
たデップが、その役作りの手本としてキースのキャラクター
をイメージしたという経緯が発表されており、キースはデッ
プがイメージする海賊船々長そのもの。そして今回の出演は
デップ自身が強く希望して、今年の1月頃から本人が出演交
渉しているという情報もあったようだ。
 それが実現に向かっている(契約したという情報もある)
ということだが、ストーンズではヴォーカルのミック・ジャ
ガーは、1992年の『フリージャック』などで俳優としても活
躍しているが、キースには『ギミシェルター』などコンサー
トシーンを撮影したドキュメンタリーはあるものの、役者と
しては未知数。従って、本当に出演するか否かはまだ確実で
はないが、実現したら相当の話題になりそうだ。
 因に役柄は、デップ扮するジャック・スパロー船長の父親
ということで、続編のタイトルにもなっているカリブ海に最
初に君臨した海賊船The Abyss号の船長役ということのよう
だ。ただし、情報では撮影期間は4日間だそうで、これでは
当然のことながら出演はカメオ。一体どこでどのようにして
出てくるかも楽しみだが、これがデップとの共演となれば、
注目のシーンになること必至というところだろう。
 撮影は2005年1月に開始の予定で、公開は2006年夏。なお
2003年11月1日付第50回にも書いたように、この続編では同
時に2本分を撮影して、間を置かずに第3作も公開する計画
もあるようだ。
        *         *
 お次は、前々回紹介した“Napoleon and Betsy”に続いて
またまた競作の話題が登場した。しかも今回は、全部で4本
という大盤振舞だ。
 内容は、紀元1世紀のイギリスでローマ帝国の侵略に立ち
向かった王妃ボアディシアを描くというもの。
 お話は、百科事典などの記述によると、A.D.60年、現在の
イギリス・ノーフォークに当るイケニの地を支配していた古
代ケルト族の王が死去し、その領地の支配権を要求するロー
マと、王の遺志を継いで女王となったボアディシアとの戦い
が始まる。この戦いで女王は、圧倒的なローマ軍の前に惨敗
を喫してしまうのだが、彼女が結集を促したケルト族は9世
紀に至るまでローマ帝国への抵抗を続けたとされる。また彼
女は、イギリス最初の女王とも呼ばれているようだ。
 そしてこの映画化では、まず、パラマウントとトライベカ
の計画で“Proof”などの劇作家デイヴィッド・オウバーン
が執筆した脚本に基づく“Warrior Queen”。続いて脚本家
ワロン・グリーンが執筆した“Queen Fury”という計画がド
リームワークスで進められている。さらに、マーサ・リトル
執筆による“My Country”という計画が、ローラ・ビックフ
ォードの製作で進められているようだ。
 そしてさらにこの競作群に、『パッション』の大ヒットを
引っ提げてメル・ギブスン主宰のイコンが参戦してきた。
 今回発表されたギブスン=イコンの計画は、この物語をブ
ライアン・クルグマン、リー・スタンタールの脚本、1999年
公開の“Tumbleweeds”という作品が高い評価を受けている
ギャヴィン・オコンナーの監督で映画化するというもので、
つまりギブスンが監督する計画ではないが、イコンでは、ギ
ブスンがオスカー監督賞を受賞した『ブレイブハート』でも

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05月15日(土)
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