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On the Production
by 井口健二
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■ウォルター少年と…、風の痛み、バレエ・カンパニー、ワイルド・レンジ、花咲ける騎士団、シュレック2、セイブ・ザ・W、機関車先生
全く違った雰囲気の作品になっている。
僕はイタリア語も、主人公たちの言葉も理解はできないが、
それでもその雰囲気が伝わってくるのは見事だった。
『バレエ・カンパニー』“The Company”
『スクリーム』シリーズ3作に出演のネーヴ・キャンベル、
『スパイダーマン』シリーズ2作に出演のジェームズ・フラ
ンコ、それに怪優マルカム・マクダウェルの共演。しかもロ
バート・アルトマン監督で、バレエ界の内幕を描いた作品。
ほとんどジャンル映画というか、僕の興味を引く作品に多く
出演している俳優たちの共演で、それだけでも楽しみだった
が、しかもアルトマン監督。それにしても、この顔ぶれでこ
の題材というのは、ちょっと意外な感じもするが…。
実はキャンベルは、元々はバレエをやっていたが、その裏側
の確執などに疲れてノイローゼになり、モデルを経て俳優に
転身したのだそうで、そのキャンベルが、バレエへの思いを
込めて、原案から製作も兼ねて作られた作品ということだ。
だから、バレエへの怨みつらみを描いた作品かというと、そ
うではなく、「ま、いろいろあるけどがんばりましょう」と
いうような映画に仕上がっていた。その辺は、自分の叶わな
かった夢への純粋な思いという感じで、気持ち良かった。
撮影は、ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴというアメリカ
有数のバレイ団の全面協力で行われており、キャンベル以外
のダンサーは、バレエ団のメムバー達が演じている。このバ
レエ団には、過去にシャーリーズ・セロンやパトリック・ス
ウェイジらも在籍していたそうだ。
また、その演目の演出シーンには、それぞれの演出家本人も
登場しているそうだ。
アルトマンは、最近の作品では、『ゴスフォード・パーク』
などのアンサンブル作品で観客を集めている。従ってこの作
品にも、そのような期待も持ったが、本作はいたってシンプ
ルに、キャンベル演じるブレイク直前という感じの女性の生
き方を描いている。
その辺でアルトマン作品としては、ちょっと物足りない感じ
もしないでもないが、元々が他人の企画に乗り込んでの演出
だし、上映時間1時間52分ではこんなものだろう。
それより、上記の演出家本人も映画に登場しているという舞
台面のシーンが、普段バレエを見慣れていない僕には興味を
引かれた。キャンベルのバレエの実力がどれくらいのものか
も、僕には判断できないが、いくつか演じられる舞台のシー
ンは面白かった。
主演の3人は、キャンベル、フランコは順当だが、この中で
は、やはりマクダウェルが一枚上で、彼が演じたちょっと奇
矯なところもあるバレエ団々長の役は、お見事としか言いよ
うがない。その痩身の体型といい、この役にはピッタリとい
う感じだった。
なお、撮影はHDヴィデオシステムで行われている。
それにしても、この企画にアルトマンが関わった経緯も知り
たいところだ。
『ワイルド・レンジ』“Open Range”
ケヴィン・コスナー製作・監督・主演による西部劇。西部劇
小説の大家と呼ばれ、本作の製作開始直前の2001年12月に亡
くなった作家ローレン・ペインの原作の映画化。
1882年、南北戦争も終って10年以上が経ち、人々が定住を始
めた時代。広大な西部を行き来しながら放牧された牛を追う
Open Rangeは、法律で認められた権利ではあったが、各地に
成立し始めた牧場主たちからは攻撃の的となっていた。
物語の中心は、そのOpen Rangeで生計を得ている4人。一行
は、ベテランのボスの下、長年行動を共にしてきたチャーリ
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04月30日(金)
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