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On the Production
by 井口健二
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■第60回
・カーナハン監督の“Mission: Impossible 3”の撮影が今
年の夏に控えており、こちらも2005年後半までのスケジュー
ルはタイトなようだ。
 一方、コープは、自ら脚色と監督も手掛けたスティーヴン
・キング原作、ジョニー・デップ主演の“Secret Window”
が全米公開されたところで、この他では、『ジュマンジ』の
続編と位置づけられるクリス・ヴァン=オールズバーグ原作
“Zathura”の脚色を担当することが発表されている。第1
作を大ヒットに導き、第2作では上記の監督のため原案のみ
担当した“Spider-Man”の第3作をどうするかは不明だが、
当面は2002年後半までに、クルーズとスピルバーグの気に入
る脚本を提供できるかということになるようだ。
        *         *
 前の記事で題名が出たついでに、“Indiana Jones”の関
連の話題を一つ紹介しておこう。
 パラマウント所属の製作者スコット・ルーディンが、『レ
イダース/失われた聖櫃』に感動した子供たちによって作ら
れた映画“Raiders of the Lost Ark: The Adaptation”の
製作と彼らの人生を映画化する権利を、6桁($)半ばの契
約金で獲得したことが発表されている。
 この作品は、1981年に公開された映画を見たクリス・スト
ロンポロス、エリック・ザラ、ジェイスン・ラムの3人が、
映画と同じものを自分たちで作ろうと考え、1982年の夏休み
に撮影を開始、その後7年を掛けて完成させたというもの。
 切っ掛けは、主人公を演じる当時10歳ストロンポロスが、
スクールバスの中でザラにアイデアを話したことに始まり、
ザラは映画全体の649シーンに及ぶストーリーボードを描き
元々ホラー映画のファンだったというラムがカメラマンを勤
めている。その総製作費は、5000から8000ドルくらい掛かっ
たということだ。
 なお、作品では、巨大な石のボールが転がってくるシーン
や、生きた蛇のシーン、トラックに引き摺られるシーンなど
が再現されている。ただし、猿が登場するシーンは犬で代用
されたりもしているとのこと。また、成長期の少年が演じる
主人公は、当然のことながらどんどん大人になってしまうの
だそうだ。
 そして完成された作品は、一般に公開されることもなく保
管されていたが、2年前に映画作家のエリー・ロスによって
発見され、2002年12月にテキサス州オースティンで開かれた
映画祭で上映されて話題を呼んでいた。
 その顛末が、本家本元のパラマウントで映画化されること
になったもので、同社では過去に、“Star Trek”ファンの
行動を描いたドキュメンタリー作品“The Trekkies”を製作
したことがあるが、このような形で映画に絡む作品が作られ
るのは珍しいことだ。それにしても、子供時代の遊びが単純
計算で100倍くらいの価値を生み出したことになる。
 2月15日付の第57回でも書いたように、“Indy 4”の実現
についてはかなり厳しい印象を持つが、その代わりとしては
かなり良い感じの作品になりそうだ。
        *         *
 お次は、またまたテレビシリーズからの映画化の話題を紹
介しよう。といっても今回は、ちょっと他の作品とは経緯が
異なるものだ。
 映画化される作品は、“Serenity”という題名。この作品
のテレビシリーズ時の題名は“Firefly”というそうだが、
実はこのシリーズ、2002年にアメリカのフォックス・ネット
ワークで放送され、11エピソードでキャンセルされてしまっ
たものなのだ。
 シリーズの内容は、500年ほどの未来の宇宙空間を舞台に
したもので、基本的には西部劇の宇宙版というようなお話。
高潔な無法者や、掻き回し屋の神父、現実主義の売春婦など
がドラマを繰り広げるというものだ。
 ところが2002年秋開始の放送は、金曜8時台という時間帯
で、野球中継や特別番組などによってたびたび飛ばされ、結
局は安定した視聴率も稼げないままクリスマス前に打ち切り
が決定されてしまった。しかし、シリーズ製作者のジョス・

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04月01日(木)
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