ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460148hit]
■スパイダーマン2、MAY、クリムゾンR2、dot the i、ミッシング、エージェントC、ヴェロニカG、キッチンS、深呼吸、コールドM
体が発見される。その事件の捜査に当るのはニーマンス刑事
(レノ)。一方、そのニーマンスが訓練学校の教官だったと
きに指導したレダ刑事(マジメル)は、別の殺人事件を追っ
ていた。そしてその2人が遭遇する。
別々の事件がまとまって2人の刑事が揃うという展開は前作
と全く同じ。この辺の手順の踏み方は、さすがリュック・ベ
ッソンらしいが、この展開は、今後シリーズ化された場合に
は踏襲されることになるのだろうか
そして今回の事件は、第1次大戦後にドイツ国境に作られた
巨大要塞マジノ線を舞台に、またまたナチスの亡霊が絡む事
件へと発展する
前作の雪の閉ざされた大学というのも雰囲気があったが、今
回のマジノ線というのは地下に設けられた巨大迷路のような
要塞で、いろいろの仕掛けも施されて、これまた奇っ怪な雰
囲気を醸し出している。
ただ前作は、この雰囲気が全体として落ち着いた流れになっ
ていたが、今回はこれに超人的なアクションを見せる謎の集
団が登場して、思い切り加速した展開になっている。
そしてまあ、この連中が走りに走るし、壁を乗り越えたり、
飛び降りたりのパフォーマンスが見事。これを追いかけるマ
ジメルのパフォーマンスも良かったが、全体にスピード、し
かも人間が出すスピードの限界という辺りを見事に描いてい
た。前作とはちょっと違った雰囲気かも知れないが、これは
これで面白い。
なお、『王の帰還』では出演シーンをすべてカットされたク
リストファー・リーが、本作では堂々と敵役を演じている。
『ドット・ジ・アイ』“dot the i”
2人の男と1人の女の三角関係を、ちょっと捻った角度で描
いたラヴサスペンス。
女性は、ストーカーから逃れるために母国スペインを離れて
ロンドンにやって来た。そこで彼女は、自分に尽くしてくれ
る裕福な男性と巡り会う。そして彼と結婚することになるの
だが、その独身時代に別れを告げるパーティで1人の男性と
出会ってしまう。
2人の男性の間で揺れ動く恋心、彼女はその気持ちを押さえ
最初の男と結婚するのだが、彼女の所在を突き止めたパーテ
ィの男との蓬瀬を重ねてしまう。しかも彼女の周辺には、ス
トーカーの影が見え隠れし始める。
かなり捻った展開で、最初のうちはちょっとやり過ぎの感じ
もしたが、その捻り具合が度を過ごす辺りから面白くはなっ
てくる。しかし、正直に言ってやり過ぎの感は最後まで強く
残り、その感じが消えないのは、やはり演出が未熟なのだと
思われる。
脚本監督は、詩人で、作家で、大学の先生でもあるというマ
シュー・パークヒル。短編映画の監督はしているようだが、
映画はもっと単純なもので充分なのに、今回はちょっと頭の
良さが出過ぎたと言うところだろうか。同じ題材で、例えば
ブライアン・デ=パルマが撮ったら、多分もっと気持ち良く
見られる作品になったことだろう。
とは言え、映画の展開自体は見るべきところはあるし、サン
ダンス映画祭で観客が熱狂したというのも判る。恐らくは、
日本の若い映画ファンも熱狂させることになりそうだ。
『ミッシング』“The Missing”
ロン・ハワード監督が、ディズニーの大作“The Alamo”を
降板してまで撮ったトミー・リー・ジョーンズ、ケイト・ブ
ランシェット共演の西部劇
ブランシェットが演じるのは荒野に在する牧場で、治療師を
しながら女手一つで二人の娘を育て上げた気丈な女性。ある
日その牧場に一人の初老の男が訪ねてくる。彼は、女性が幼
い頃に、母と彼女を捨てて家を出ていった父親だった。
父親の行動が許せない彼女はけんもほろろに彼を追い出す。
しかしその日、町に出かけた娘たちが行方不明となり、よう
やく見つけ出した下の娘から、上の娘が人身売買の誘拐団に
さらわれたことを告げられる。
そして保安官や騎兵隊の協力も得られないと判ったとき、彼
女に残された道は誘拐団の素性も知る父親の協力を仰ぐこと
だった。こうして、母親の後を追うと言って聞かない下の娘
も含めた親子3代の追跡劇が始まる。
[5]続きを読む
03月31日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る