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On the Production
by 井口健二
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■オーシャン・オブ・ファイヤー、キャンプ、犬と歩けば、永遠のモータウン、ホーンテッド・マンション、フォーチュン・クッキー
なりのもののようだ。
展開に多少あざといところはあるけれど、タップダンスや歌
唱など、出てくる若者たちの見事なパフォーマンスを見せら
れると、そんなことはどうでも良くなってしまう。それに何
より彼らに向けられる目の暖かさが素敵、そんな感じの作品
だった。
『犬と歩けば』
ココリコの田中直樹の主演で、恋人に振られた若者と、捨て
犬との交流を描いた作品。
これに共演がりょう、ラーメンズ片桐仁、Puffy吉村由美、
さらに嶋田久作、寺島進、ガダルカナル・タカ、はなわなど
と来ると、なかなか見に行く食指が動かないという感じの作
品だ。だって、どう考えてもまともな映画が作れる体制では
ない。
しかし監督の篠崎誠は、前作『忘れられない人々』が気に入
っているので見に行った。
そこで映画は、もちろん田中主演のドラマではあるのだけれ
ど、主眼は動物介在療法(アニマルセラピー)の活動を描い
たもので、その支援活動を続けているミュージシャンの大木
トオル氏も特別出演して、その訓練から実践までが手際良く
描かれている。
これが、自分で犬を飼っている身としては実に分かり易すく
描かれているし、また田中直樹が飼い主の視点でそれを演じ
ていてくれるのも良い感じだった。
監督は、前作でも、戦争から老人問題、そして現代の社会悪
までも手際良くまとめてみせてくれたが、今回は前作ほどテ
ーマの数を盛り込んでいないから判りやすい反面、言いたい
ことがもろに出過ぎた感じはする。でもこのテーマなら仕方
ないかなという感じだ。
なお出演者の演技は、多少臭い部分もあるが概ね悪くはなか
った。ただ、映画の宣伝は、もっとセラピードックを前面に
出してもいいのではないかと思うが、どうだろう。
『永遠のモータウン』
“Standing in the Shadows of Motown”
1959年、デトロイトに誕生したモータウンレコード。
スティーヴィー・ワンダーからダイアナ・ロス、テンプテー
ションズ、そしてマイクル・ジャクスンまでも育てた伝説の
レコード会社を、陰で支えたスタジオミュージシャンたち。
彼らの名はファンク・ブラザース。
「歌手は誰でも良かった。彼らのサウンドがあったからこそ
モータウンはヒット曲を連発できた」とまで言われるファン
ク・ブラザースだが、今まで彼らの存在が語られることはほ
とんどなかった。そのファンク・ブラザースにスポットを当
てたドキュメンタリー。
といっても、本作の製作も、元になる同名の書籍が1989年に
発表されてから14年もかかっているのだから、本当に幻に終
ってしまうところだったようだ。実際に映像では1990年代に
撮影されたものも多く登場するが、その内の何人かはすでに
亡き人なのだ。
しかしようやく完成されたこのドキュメンタリーがきっかけ
で、ファンク・ブラザースは復活。英米でのコンサートを成
功させ、今年のグラミー賞で功労賞が授与されたという。
映画は、その復活コンサートを中心に、参加した若手ミュー
ジシャンとの交流や、すでに亡くなった人を含むメムバーへ
のインタヴュー、思い出話しに、その再現映像などで綴られ
る。まあ、ミュージシャンにありがちな思い出話しだが、人
種を超えたグループだっただけに、キング牧師暗殺やデトロ
イトの暴動の時のエピソードには感銘を受けた。
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03月14日(日)
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