ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460218hit]
■第57回
ード・フィルムスや、カナダのアニメーション製作会社と提
携を結ぶ動きもあるようだ。
いずれにしても2006年には、ディズニーから自家製第1号
の3D−CGIアニメーションと、ピクサーの独立第1作の
対決となる訳で、これに恐らくはドリームワークスの作品も
加わって、この年度のアカデミー賞長編アニメーション作品
賞はますます面白いことになりそうだ。
* *
以下は、いつもの製作ニュースを紹介しよう。
最初に、スティーヴン・スピルバーグ関連の話題で、長年
彼が関ってきた2作品の実現に向けた動きに、多少明暗が分
かれてきた。
まずは明の方で、以前から介している日本女性が主人公の
歴史ドラマ“Memoirs of a Geisha”の計画で、新たな脚色
を行う脚本家が決定され、今年秋からの撮影に向けた準備が
本格的にスタートした。
この計画では、以前にも紹介したように1997年に発表され
たアーサー・ゴールデンの小説からスピルバーグが監督する
予定で脚色が進められ、ロン・バスやアキヴァ・ゴールズマ
ンの脚本が準備された。しかしこの計画は実現せず、2001年
にスピルバーグが断念を発表したものだ。
その計画が、昨年のオスカー作品賞を受賞した『シカゴ』
のロブ・マーシャル監督の次回作として浮上。これに対して
当初は、監督の次回作の権利を保有していたミラマックスが
難色を示していたが、最終的に同社はイギリス国内の配給権
と引き換えに権利を放棄、実現が可能となっていた。
しかし、先に準備された脚本はいずれもマーシャルの意に
合わず、新たに脚色が行われることになったもので、その脚
本家には、1994年版の『若草物語』や、1996年にダニー・デ
ヴィートが監督した『マチルダ』、さらに1998年の『プラク
ティカル・マジック』などを手掛けたロビン・スウィコード
が起用されることになった。
なおスウィコードは、先に発表した“The Rivals”という
オリジナル脚本がドリームワークスで取り上げられ、19世紀
を時代背景にライヴァル関係にあった2人の舞台俳優を巡る
物語が展開するこの作品は、スピルバーグの監督も視野に入
れて計画が進められているということで、今回の起用には、
本作の製作総指揮も務めるスピルバーグの意向も働いている
ようだ。
ということで、脚本はどうやら英語で作られることになり
そうだが、『ラスト・サムライ』が話題になった後で、最終
的にどのような決断が下されるかも楽しみだ。
* *
そしてもう一つは、直ちに暗という訳ではないが、ちょっ
と気になる情報で、“Indiana Jones 4”の製作が、また少
し遠退く感じになってきた。
この計画では、『ショーシャンクの空に』などのフランク
・ダラボンが脚本を担当していることが以前から報告され、
実は今回の報道の数日前にも、新たにパラマウントとの優先
契約を結んだダラボン本人が、“Indy 4”の脚本はすでに完
成していると発言したばかりだった。
ところがこの脚本に、監督のスピルバーグ、製作のジョー
ジ・ルーカス、主演のハリスン・フォードの3人組の中で、
今回はルーカスが反対したということで、結局ダラボンの脚
本は撤回され、その後釜の脚本家には、何と“Memoirs of a
Geisha”と同じロビン・スウィコードが起用されることに
なったという話だ。
元々この計画では、最初にルーカスが用意した脚本にスピ
ルバーグとフォードが反対したという経緯もあり、ダラボン
の起用もスピルバーグの発案だったという話もあるが、続け
てスピルバーグ側の脚本家で上手く行くものかどうか。
しかもスウィコードには、先にやるべき脚色がある訳で、
その後の脚本の執筆では、パラマウントが期待した2005年夏
の公開は到底不可能。さらに2005年夏に撮影が行われるとす
ると、その時のフォードは65歳になっているということで、
アクション中心の“Indiana Jones”は大丈夫かという心配
もあるようだ。
[5]続きを読む
02月15日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る