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On the Production
by 井口健二
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■第50回
 見るからにキャリー向きの作品だが、実は前職ジャーナリ
ストのジャヴォージが、実際に催眠術師を取材しているとき
に思いついたアイデアで、脚本執筆の段階からキャリーとの
話し合いが持たれたというものだ。そして完成された脚本は
キャリーの主演がセットされてセールスされ、各社争奪戦の
末、リヴォルーションが100万ドル以上の金額で獲得した。
 因に、ジャヴォージは、93年に自死した俳優ハーヴ・ヴィ
レチェイズについて、彼の死の1週間前に行ったインタヴュ
ーに基づいて執筆した“My Dinner With Herve”という脚本
で評価されているようだ。また、上記の“Terminal”は、当
初は『SIMONE』のアンドリュー・ニコルのために書か
れた脚本だったそうだ。                
 なお、同様のキャリー主演の計画では、ニューラインにも
“I Know That You Know That I Know”という81年製作イタ
リア映画をリメイクする計画が契約されているそうだが、上
にも書いたキャリーのスケジュールで、一体、何時これらの
作品は実現されるのだろうか。             
        *         *        
 続いては、ファンにはうれしい話題で、今年の夏の大ヒッ
ト作“Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black
Pearl”(パイレーツ・オブ・カリビアン)の続編が製作さ
れ、しかも2部作で公開されるという計画が発表された。 
 この続編については、前作のエンディングロールの後に、
見るからに何かありそうな映像が付いていたことから、そこ
そこの興行成績が上がれば続編が製作されることは自明とい
う感じもしていたが、アメリカでの興行成績が3億ドルを突
破し、“Finding Nemo”に次ぐ実写ではトップという成績で
は、もはや確定という感じになっていたものだ。     
 そしてその3億ドル突破の週に、正式に続編製作の発表が
あったもので、しかも2本分を同時に撮影して、2部作で公
開するというものだ。                 
 なお、同様の同時撮影2部作公開の作品では、古くは89、
90年に公開された“Back to the Future II, III”などもあ
るが、最近では、3部作が同時に撮影された“The Lord of
the Rings”や、2部作の“Matrix”、それに状況はちょっ
と違うが“Kill Bill vol.1, 2”など、一種のブームのよう
な感じにもなって来ている。              
 ということで、この計画もかなり早い時期から検討されて
いたと思われるが、実は今回の発表は、監督のゴア・ヴァー
ビンスキーが続編の監督も担当することになったというもの
で、脚本家のテリー・ロッジオとテッド・エリオットはすで
に参加が決まっているということだ。ただし脚本の完成は未
だのようだ。                     
 一方、出演者では、主演トリオのジョニー・デップ、オー
ランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイについては、ディズ
ニーの公式発表で言及されており出演は確定のようだ。敵役
のジョフリー・ラッシュの名前がないのがちょっと気になる
が、別段断る理由があるとも思えないし、隠し玉のような感
じになるのかも知れない。               
 いずれにしても、撮影時期も続編の題名も決まってはいな
いということだが、“Back to the Future”のように、正編
から5年も待たせるようなことはしないで欲しいものだ。 
        *         *        
 続けて、続編の話題をまとめて紹介しよう。      
 まずはロンドンで撮影中のシリーズ第3作“Harry Potter
and the Prisoner of Azkaban”で、新たな先生役にエマ・
トムプスンの出演が発表された。            
 今回の映画化では、新登場のSirius Black役にゲイリー・
オールドマンや、Professor Lupin役のデイヴィッド・チュ
ーリスなどが先に発表されているが、トムプスンが演じるの

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11月01日(土)
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