ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■フレイルティー−妄執、パープルストーム、白と黒の恋人たち、スパイダー・パニック、オールド・ルーキー、裸足の1500マイル
しかも本作では、アクションも香港映画らしく見事だが、そ
れに加えて記憶が蘇り始めた男の葛藤の様なものも丁寧に描
かれて面白かった。特にこのシーンでは、最近は監督として
も評価の高い国際女優のジョアン・チェンが精神科医を演じ
て全体を引き締めている。               
ビルの爆破シーンなどのVFXも上出来だし、香港映画にし
ては長い1時間53分の上映時間も短く感じられた。    
                           
『白と黒の恋人たち』“Sauvage Innocence”       
昨年、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の『夜風の匂い』が公開さ
れたフィリップ・ガレル監督の01年作品。        
ガレルは、実生活では元ウォーホルと一緒に行動していたニ
コという女性歌手と結ばれ、彼女の主演で70年代に7本の映
画を制作しているが、88年に彼女が突然世を去ってから彼女
への思いを込めた作品を何本か作っている。本作もその流れ
を継ぐ作品のようだ。                 
本作の主人公は映画監督と、彼が見初めた新人女優。監督は
それ以前に同棲していた女性が麻薬がもとで死んだことを背
景に、麻薬の恐ろしさを描いた作品を作ろうとしている。そ
してその主演に新人女優を抜擢したのだが…。      
映画製作の資金がなかなか調達できず、人伝に頼った先は、
麻薬の売人。こんな矛盾を孕んで撮影は開始される。しかも
監督は撮影の途中でも資金調達のための運び屋をやらされ、
女優は役作りに悩んだ挙げ句、麻薬に手を出してしまう。 
そして監督が過去の女性への思いを断ち切れていないと知っ
た女優は…。                     
何とも切ない物語が、モノクロームの画面の中で極めてドラ
イに描かれる。つまり映像で白と黒とが際立たされるのと同
様に、監督と女優の心のすれ違いが厳しく描かれ、ここまで
主人公たちを冷たく見放していいのだろうかとさえ感じてし
まった。                       
切ない物語のはずが、主人公たちへの共感よりも、厳しい現
実を突きつけられる。『夜風の匂い』もそんな作品だったと
記憶しているが、べたべたした物語よりずっと心に残る作品
になっている。                    
                           
『スパイダー・パニック』“Eight Legged Freaks”    
『GODZILLA』などのローランド・エメリッヒとディ
ーン・デブリンが製作を担当した巨大蜘蛛がぞろぞろ出てく
るパニック映画。                   
科学薬品の作用で、雌は四輪駆動車並、雄でも人間の大人よ
り大きいサイズに巨大化した蜘蛛がテキサスの寂れた町を襲
う。それに立ち向かう女保安官は、住民たちを過去の遺物の
ような大型ショッピングモールに避難させるが。その厚い入
り口のシャッターも、巨大な雌蜘蛛の前にはダンボールハウ
スの壁のようでしかなかった。             
一時期流行った巨大生物ものが、またぞろという感じではあ
るが、さすが手慣れてきたもので、恐怖というよりは、これ
でもかとぶち撒けるVFXの物量とスピード感で見せ切って
しまおうという意識が徹底している。          
恐怖感なら、別に巨大化しなくても普通の蜘蛛が大量に出て
くるだけで充分な訳で、それを巨大化させてしまったら…。
しかし、デイヴィッド・アークエットや『アナコンダ』のカ
ーリ・ワーラーらの出演者が頑張っているので、結構面白い
作品になった。                    
それにしても、巨大化したハエトリグモが、ジャンプしなが
ら追ってくるシーンは、普段小さい奴は見ているだけにかな
りの迫力だった。                   
                           
『オールド・ルーキー』“The Rookie”         

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10月16日(水)
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