ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File131】期待大ナリ・・・最新戦争映画情報
Les femmes de l'ombre
「暗闇の女たち」
レジスタンス活動に身を投じていたルイーズは、同じくレジスタンスだった夫が独軍に殺された後にロンドンへ亡命。英軍の諜報破壊工作機関、特殊作戦執行部(SOE)に加わった。最初の指令はノルマンディー上陸作戦前夜、ドイツ軍に捕らえられた英国諜報部員の救出だった。ルイーズは作戦実施に適した様々な特技を持つ女性たちを選抜、作戦実施部隊を編成する。メンバーを選抜するためには手段を選ばないところは「特攻大作戦」等過去の特殊作戦物の伝統を受け継いでおります。さてルイーズは、男を手玉に取る術に長けた踊り子スージー、爆薬の専門家の化学者ガエル、そして殺人も平気な娼婦ジャンヌを部隊に加える。独占領下のノルマンディーに降下、潜入した彼女たちは、レジスタンスの生き残りで無線を操作できるユダヤ人女性マリアと合流。ドイツ軍の医療施設に監禁されている英国諜報員の救出に向かう。彼女たちは看護婦とストリッパーに変装し諜報員の救出、迎えの英軍機で脱出に成功させる。パリへ戻った彼女たちに、SOEは新たな任務を与える。それは独軍の対諜報活動部門のトップ、ハイドリッヒ大佐の暗殺だった。大佐は、ノルマンディー上陸作戦について多くの情報を握っていた。しかし彼女たちの計画を察知した大佐の執拗な追跡を受けながら、彼女たちは不可能な任務に挑んでいく。
ヨーロッパ映画に多い戦争の悲壮さや悲劇性はあまり感じられない。どちらかと言えば展開もテンポも早いハリウッド戦争アクションに近いエンターテインメントらしい。英国諜報員の救出、独情報部大佐の暗殺計画、仲間の裏切りや死を乗り越えての任務遂行。運命に翻弄される主人公ルイーズたち。「シャーロット・グレイ」「ブラック・ブック」に続く久しぶりのヒロイン物戦争映画である。
Miracle at St. Anna
「サンタ・アンナの奇跡」
殺人犯ヘクター・ネグロンのニューヨークの自宅で見つかったのは、イタリアの歴史的文化的遺産・・・大理石の彫像の頭部。これが第二次大戦下のイタリアで起こったミステリーの謎を解く鍵となる。スパイク・リー監督の最新作は、1944年第二次世界大戦下のイタリア、トスカーナに派遣された米陸軍の黒人兵士部隊・・・第92歩兵師団(通称バッファロー・ソルジャーズ)の兵士を描いた物語。黒人差別主義者の上官によって、味方から取り残され、イタリアトスカーナ州の山村サンターナ・ディ・スタゼマ村に孤立無援の状態で取り残された黒人兵士たち。そして余りに衝撃的な体験から記憶を失ったイタリア人少年。運命に翻弄される彼らは生き延びる事が出来るのか・・・。この物語は、1944年敗色濃いイタリア戦線中部のスタツェーマ村で実際に起こった事件を題材にしている。抗独パルチザンに手を焼いていた独武装親衛隊は、抗独パルチザンのアジトを教えるよう村人に要求するが、村人はそれを拒絶。怒った独武装親衛隊は、村人のほぼ全員560名を射殺し遺体にガソリンをかけて燃やした。その中には10歳以下の子どもも72人が含まれており、また臨月間近の妊婦の遺体もあったという。(2005年、61年前の村民虐殺の罪で元独親衛隊員10名に伊法廷は終身刑を言い渡した)。しかしイタリアでは、パルチザンが虐殺に関与していたという描写が史実を曲解していると批判が集中しているらしい。スパイク・リー監督と言えば、クリント・イーストウッドの「父親たちの星条旗」で黒人兵士が描かれていない、といちゃもん付けて壮絶な舌戦を繰り広げたらしいですが・・・。
Defiance
「反抗」
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10月19日(日)
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