ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File127】男たちの硫黄島・・・Aある星条旗(ハタ)の物語【前編】
世間では新年早々物騒で猟奇な事件や政治家の不可解な経費処理が問題になっておりますが、一体どうしたもんでしょうかねぇ・・・それはさておき、早速ですが今回の観戦記を始めさせていただきます(書込字数制限がぁ〜)・・・それでは【開演ブザー】・・・携帯電話の電源はお切り下さい・・・【いつもの如く当書き込み記事には資料的価値は全くありません・・・(^o^;A】

【硫黄島の星条旗】
クリント・イーストウッド監督による『硫黄島二部作』は戦争映画としてだけなく、映画としての評価や興行成績からしても間違いなく映画史に名を残す事でしょう。そんな訳で前回の観戦記では【イーストウッドの挑戦】という事で、敵味方それぞれ別の視点から、二部作として同一の戦場で戦った兵士たちの姿を描く、新しい戦争映画の手法について取り上げてみました。そんな訳ですから、当然の如く今回の観戦記は、その第一作目である『父親たちの星条旗』と言う作品について書いて行こう・・・と思っていたのですが・・・実は映画を観戦して二ヶ月近くが経ってしまい、思い出そうにも細部について思い出せません。DVDはまだ発売されておらず、お得意の重箱の角を突く様な細部についての粗探しが出来る訳もなく・・・思い出せる範囲では・・・@過去(硫黄島の戦場/戦争国債ツアーと主要登場人物3人の戦後の物語)と現在(資料調査や生存者への取材)が入り乱れて、私ATF的には構成的に非常に観戦し辛かったという点、それとACGが大袈裟過ぎた・・・特に上陸シーンが混み合い過ぎ(幾ら何でもあんなに混み合ってたら、もっと被害甚大だぜ!)と言う二点くらいでしょうか。世間一般の評判通り、流石にイーストウッド監督!この映画については、それ程ツッコミどころがない・・・と言うか最初に述べた如く細部については記憶があやふやで、ネタが浮かばない・・・(大汗。しかし何とか観戦記執筆の足がかりを得ようと、原作であるJ・ブラッドリーとR・パワーズ共著の『硫黄島の星条旗(Flags of Our Fathers/島田三蔵訳・文藝春秋刊)』を読み返してみました。原作では、著者が父親ジョン・ブラッドレーが亡くなった後、遺品を整理していた中から、父が摺鉢山に星条旗を掲揚した6名の英雄(星条旗掲揚者/THE FLAG RAISERS)の1人であった事を知り、父が何故その事を家族にすら語らなかったのかという点に疑問を持ち、資料や関係者への取材を始めた経緯、6名の英雄それぞれの生い立ちと硫黄島へ赴くまでの人生、硫黄島での戦闘と国旗掲揚、第七次戦時国債キャンペーンにおける作られた英雄像と戦死者の遺族たちの苦悩、そして生き残った3人のその後の人生が丁寧に描かれています。この点は、前述の通り構成上での難点を除けば、『父親たちの星条旗』は原作を丁寧に描いておりました。しかし何度か原作を読み返していた私ATFは、あるひとつの点について疑問を抱いたのであります・・・それは、この『硫黄島の星条旗(Flags of Our Fathers)』は、全編560ページ(文庫本版)に及ぶ長編ノンフィクションなのですが、この物語における最も重要な場面・・・そう星条旗の掲揚についての記述は20ページ程(3.6%)しかありません。その20ページ中最初と第二の旗掲揚に関しての記述が、それぞれ半分と言ったところなのです。結局のところ、この『硫黄島の星条旗(Flags of Our Fathers)』は、1945年2月23日に摺鉢山の山頂に最初に翻った星条旗の交換の為に掲揚された旗に関わった6人(海兵隊員5名・海軍衛生下士官1名)について詳しく書かれてはいますが、その第二の旗が有名になった事によって完全に忘れ去られてしまった【第一の旗】については全体の僅か2%弱しか述べられていない・・・と言う事でした。

【摺鉢山の山頂に翻った二つの星条旗】

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01月12日(金)
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