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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File098】あゝ邦画戦争映画は燃えているか・・・Shall We タンク!【中編】
さて一ヶ月以上もお久しぶりの観戦記・・・今回も字数の関係で早速本編に突入だ。前回に引き続き邦画に関係した戦車≠フお話・・・それでは開演《開演ブザー》。いつものように携帯電話の電源はOFFにして。【恒例/この記述には資料的価値はない】

【花とシネマのドリームランド】
先日ある書店で立ち読みしていた時、ふと目に留まったのが『珍日本紀行』(筑摩書房刊/都築響一編)という文庫本・・・日本全国津々浦々の変わったテーマパークや博物館とか建造物、お店等を紹介した本で「東日本編」と「西日本編」の二冊からなり、なんと一冊が1800円、文庫本にしては破格な値段だが一冊の厚さが2cm近くもあり、それなりの値段だと言われればそうなのだが・・・興味を引かれ手に取りページをパラパラと捲っていたところ、その「東日本編」の中のひとつの紹介記事が目が留まった・・・それは北海道の夕張にある花とシネマのドリームランドという地方テーマパークの記事・・・何のテーマパークか・・・まぁ読んで字の如しなのだが・・・旧夕張炭坑跡の広大な敷地に、四季折々の花々約12万株が植えられ、更に映画に因んだモニュメントなどを設置、四季それぞれに美しい花々を楽しむ事ができる・・・というテーマパークである。で何故シネマなのか、と言うと・・・夕張と聞いて映画でまず思い出すのが「ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭」である。これは国際映画製作者連盟が公認する格式高い国際映画祭のひとつで、毎年二月中旬に国内は勿論の事、世界各国から著名な監督や俳優が審査員・ゲストとして招かれ盛大に開催されているのは、御存知の通り。更に夕張と言えば名作『幸福の黄色いハンカチ』のロケ現場。ラストシーンの黄色いハンカチがはためく炭鉱の社宅が当時のままに再現され、映画のパネル写真や訪問者の願いを書いた寄せ書きなどが展示されている。そんな訳で夕張は映画の町≠ナあり、その象徴として花とシネマのドリームランドが存在するらしい・・・ジュリー・アンドリュース(サウンド・オブ・ミュージック)の巨大パネルが訪れた者を驚かせる・・・と言った一風変わったテーマパークではあるが・・・。さて、その花とシネマのドリームランドの紹介記事に目が留まった原因・・・それは、その中に載っていた一枚の小さな写真が原因だった!横2cm×縦1.5cm程のチッポケな写真には、な、な、何と戦車が写っていたのである!なんでこんな所に戦車があるんだ・・・それにしてもこんな戦車見た事ないぞ?・・・一体この戦車の正体は?・・・と言う訳で、この花とシネマのドリームランドの謎の戦車について、暫しお付き合いを!

【北海道の片田舎で朽ち果てている謎の戦車=z
ATFの興味を引いた謎の戦車・・・果たしてこの戦車の正体は・・・って大騒ぎするまでもなく、正体はいとも簡単に解ってしまった・・・この花とシネマのドリームランド≠Googleで検索したら、ヒットしたサイトやHPの中で何の躊躇いもなく紹介されていたのだ・・・その戦車、実は映画『226(1989)』で使用された戦車だった。それにしても何故、その戦車がこんなところにあるのか・・・Googleでの検索の結果から判明した事実によれば、どうやら『226』の監督である五社英雄氏(「三匹の侍」「鬼龍院花子の生涯」「吉原炎上」等)が、夕張市に寄贈した、と言う事らしい・・・それ以上は不明・・・何じゃソリャ?

【二二六事件】
この戦車について書く前に、映画『226』の題材となった「二二六事件」について簡単に説明しよう。まぁ軍オタを自称される方には何を今更▼・・な事ではあろうが、暫しお付き合い願いたい。「二二六事件」・・・1936年(昭和11年)2月26日早朝・・・雪が降りしきる中、国粋主義に心酔した陸軍の一部青年将校たちに率いられた歩兵第一連隊、歩兵第三連隊そして近衛歩兵第三連隊の下士官兵約1500名が「昭和維新」を旗印として決起、重臣を殺害し首都東京の中枢部・・・首相官邸・陸軍省・警視庁等・・・を四日間に渡って占拠した、日本近代史上有数の内乱事件。一部では軍事クーデターとも言われるが、事件を首謀した青年将校たちは、自らが政権奪取を目論んだ訳ではないので、一般的な意味でのクーデター≠ニは異なる。

【事件の背景】

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10月31日(金)
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