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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File036】レプリカとCGのあいだ・・・戦う翼たちの戦後@
先日の事、BS2で放送された戦時中(1942)に製作された戦争映画「軍旗の下に」を観る事が出来ました。衛星系受像システムを持たないATFですが、まあ知人友人の人脈を駆使(昼飯を奢る、仕事を代わる、その他色々苦労)してですが、それなりの価値はありました。英国海軍の新造王国駆逐艦トリン号を舞台に艦長以下副長、士官達、先任兵曹、一般水兵たちと彼らの妻、婚約者、恋人、家族との交流を描いた、まさにハヤカワ文庫の英国海軍を舞台にした小説の定説通りのストーリーで、その方面の小説ファン(資料室Aをご覧いただければ一目瞭然)であるATFにとっては満足行く作品でした。戦闘シーンは少ないながら迫力の夜戦シーンと独爆撃機に対する対空戦シーンが挿入されています。中でも対空戦シーンは迫力満点です。肉薄してくる独爆撃機は、その方面に詳しい方の言によればユーカンスJu88、なんと実機です。鹵獲機なんでしょうか。編隊飛行シーンは流石に合成のようですが、単機シーンは実写記録フィルムには見えません。この映画の1シーンとして撮影されているようです。対する駆逐艦側では、二連装主砲、給弾シーンがリアルです。そして英国軍艦と言えばコレ、ポムポム砲。恐怖の弾幕を張り巡らします。そして防空の要20mmエリコン機銃。奮戦空しく2発の直撃弾を受け、駆逐艦は撃沈されますが・・・。この作品のように戦中、戦後間もなくに制作された二次戦モノ作品にはマニア涎垂の実機が多々登場しますが、流石に戦後60年も経つと実際に飛行可能な実機の数は限られて来ます。現存する二次戦航空機の多くは博物館や戦争記念館に陳列されているか、または一部の個人コレクター(お金持ち)の所有物です。以前にも書きましたが、戦車や装甲車両、火砲などは現用の兵器でも代役が可能です。見栄えは味気ないですが・・・ね。そして艦船にしても、また然り。実際多数の作品で、各国軍の現用兵器が当時の兵器役で登場してます。しかしながら航空機に関しては、流石にジェット機を零戦だと言って登場させる訳にはいきません。多少のカッコ違いは我慢するにしても、やはりレシプロ機でなければ・・・。と、言う訳で、今回のテーマは戦争映画にも大きく影響する現存する二次戦機=ウォーバード≠スちのお話です。

【最近の作品に登場する二次戦機の現実】
さて昨年公開され超話題(良くも悪しくも)作となった「パール・ハーバー」(惜しくもラズベリー賞は取れなかった・・・)ですが、飛行可能・不能の実機、及び撮影用に製作されたレプリカ機、画面処理で登場するCG映像合成機と多数の機体が登場します。一般の観客には、登場する英米独日の航空機たちが、実機であろうがレプリカであろうがCGであろうが関係ないんでしょうが、マニアにとってはストーリーや設定と共にそこが評価の大きな基準。幾らCGによる大編隊が登場しても、たった一機の飛行可能な実機シーンには適わないのです。「パール・ハーバー」に登場する日本軍戦闘機の代表的存在零戦=零式艦上戦闘機≠ナすが、実際真珠湾攻撃当時に使用された型とは違いますが、本物が登場、と言うだけで何人かのマニアがワクワクしながら観に行ったはずです。ストーリーにはガッカリしても、実際に飛行する零戦≠観れたというだけで満足した方も何人かはいたはず・・・。その他日本海軍機としては往年の名作「トラトラトラ」にも登場した名機AT6を改造の97艦攻や99艦爆、他の実機ではカーチスP40戦闘機、C47輸送機やB25爆撃機も活躍してました。もうひとつの話題(レイチェル・ワイズの白いお○・・・失礼)作は「スターリングラード(2001)」オープニングで渡河するロシア軍の艀群に対して投弾、機銃掃射を加えるスツーカ≠アれはCGながら中々迫力がありましたが、物語中盤に登場する市街を爆撃する独爆撃機(型式なんだっけ?忘失)投下する爆弾が、爆弾倉からポロポロ・・・悪い言い方をすれば鳥が○ソをするような感じで落ちているのは頂けません。この作品では2両登場する改造レプリカ三号戦車(司令部前のシーンではCGで大戦車軍団が登場)も話題になりました。これら二作品からは、もはや飛行可能な二次戦機の数が激減している、という悲しい現実を如実に実感させられるのでした。
【戦う翼たちの戦後・・・】

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04月07日(日)
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