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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File023】あゝ邦画戦争映画は燃えているか・・・転進編
2002年も早2週間が慌しく過ぎていきました。そんな中で、半ば片手間半分で昨年からチビチビと作成を続けていた「戦後製作・公開邦画戦争映画」リストをやっとアップできました。いや〜ッ、こうやって見ると「邦画戦争映画」の意外な多さに驚かされます。特に50年代〜60年代、年間100本以上も公開されていたなんて・・・まあ、今回は純粋な「戦争映画」というよりは、ミリタリー系映画や反戦・反軍拡などの映画も取り入れましたが・・・。当初は「独立愚連隊」や「逃亡列車」「零戦黒雲一家」などのようなアクション系の邦画戦争映画いわゆるチャンバラ・コンバット≠フ盛衰について疑問が生じたことが始まりでした。そして、ここ最近の邦画の低迷・・・通常の作品すらコレ≠チて作品が少ないのに、まして手間・暇・金のかかる「戦争映画」の少なさときたら・・・。「SPR」以降、洋画では戦争映画ファンや一般大衆に何らかの影響を与えた作品が、ここ最近でも幾つも公開されています。「TRL」「U571」「スターリングラード2001」「パールハーバー」「コレリ大尉のマンドリン」・・・反面、邦画で記憶に残っているのはどんな作品でしょうか・・・ここ最近では、インドネシア独立に尽力した残留日本兵を描いた「ムルデカ17805」今なお戦争・・・の影を背負って生きる元特攻隊員を描いた「ホタル」ぐらいですか・・・。ちょっと遡ると、東京裁判での東条英機≠フ最後の闘いを描き、単館系でジワジワ話題になった「プライド運命の瞬間」インドシナの戦火を撮りつづけた従軍カメラマン一ノ瀬泰造≠描いた「地雷を踏んだらさようなら」映画評論家水野晴郎℃♀ト督・主演のカルト作品「シベリア超特急」そして戦争映画ファンの評価は別として、特攻を題材としながらも、SMAPの木村拓哉など今では日本のテレビ界の視聴率メーカーたる俳優陣の出演で話題となった「君を忘れない」・・・あと菅野美穂主演・陸上自衛隊全面協力の「守ってあげたい」と、まあ思いつくだけでもコレだけの作品があるのに「SPR」や「スターリングラード2001」「パールハーバー」に比べなんと印象の薄いことか・・・せめてもの救いは高倉健さん主演の「ホタル」が興行収入25億円で、今やアニメが主流の日本映画の中にあって、なんとか2001年度邦画ランキングの上位に喰いこんだ事位ですかねぇ〜。普段ビデオ派の私もワザワザ映画館まで観にいきましたよ。「鉄道員」で日本中を感動の涙に包んだ健さん主演ということで前評判はよかった様ですが、やはり「戦争」「特攻」というテーマが重かったのか、映画館でも圧倒的に年配の観客が多かったようです。また「ムルデカ17805」も観にいきました。戦後も帰国せずインドネシア独立に尽力した元日本兵たち。歴史の影に埋もれたテーマに光を当てた意義は大きいと思います。また主演の日本人俳優達の演技も結構気合が入っていましたが、戦争映画ファンとしての目で観ると、戦闘シーンのリアル性が低いのがチョット・・・爆発シーンや銃器の発砲シーンなどの特殊効果撮影が全然ダメ・・・言い方は悪いですが「独立愚連隊」などの時代の技法から全然進歩が観られません。相変わらず排莢しない軽機関銃と発火薬を詰める為にやたらと太い銃口、煙と閃光だけは派手な爆発・・・なんだかよくわからない戦車・・・。インドネシア陸軍も協力していると聞いていたので、ある程度は期待していたのですがねぇ・・・。邦画戦争映画が「SPR」のリアルさに近づけるのは何時のことやら・・・って言うか、今後も日本製戦争映画は果たして作られるのか・・・アニメーションの技術では世界随一なのに・・・今後の日本製戦争映画の興隆を期待しつつ、過去の作品の検証は随時続けて行きたいと思います。あッ、そうそう、リストをアップしたのは良いのですが↓前述の如く戦争映画・ミリタリー映画ではない作品を含んでいます。リストを見て「これは戦争映画じゃないんとちゃうの・・・」「この作品が抜けとるで」「この作品はこんなストーリーやで」という意見・情報は大歓迎ですので、皆さんのお知恵を拝借させて下さい・・・2002年成人の日も働くATFでした【続く】
01月14日(月)
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