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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File016】あゝ邦画戦争映画は燃えているか・・・進撃編
先日のことですが、CSの邦画チャンネルで久々に戦争映画が放映されました。CSに加入していない私は、職場の同僚に頼みこんで録画してもらい、なんとか観る事ができました。そのタイトルは「俺は地獄の部隊長」1963年日活制作、主演マイト・ガイ小林旭≠フ中国戦線を舞台とした痛快アクション活劇戦争映画≠ナす。
戦争末期の北支戦線。八路軍に包囲され孤立した前線の守備隊陣地を舞台に、砲撃で神経をやられた守備隊長に代わり指揮を執る桂木少尉(小林旭演じる主人公。通称はロビン・フッド?)と、彼を弟の仇と付け狙う佐々木少尉(演じるは内田良平)の他、部下として配属される全滅部隊の生き残りなど一癖も二癖もある兵隊たちが、八路軍の総攻撃の前に大活躍。そして暗躍する美女スパイ・・・個性波揃いの独立守備隊が奮戦しかしながらも、流石に多勢に無勢、援軍もなく弾薬もなくなり、一人また一人と倒れ、最後に残った桂木少尉と佐々木少尉は軽機(SMG)を手に敵軍の待つ砲煙の中へと姿を消していきます。50年代後半から60年代にかけて日本映画の主流をなしたアクション映画のテイスト満点、岡本喜八監督の「独立愚連隊」等に代表される典型的痛快アクション活劇戦争映画≠フひとつなんですが、観終わった後、ちょっと考え込んでしまいました・・・何をかって・・・これって○○○○<Rンバットじゃん・・・!?
【まずはマカロニ・コンバット≠りき・・・。】
イタリア映画では、ロッセリーニ監督の「戦火のかなた」や「無防備都市」などに代表されるネオ・リアリズム′nの戦争映画が有名ですが、世の戦争映画ファン、特に日本のファンにとって、それよりもっと有名(?)なのは、俗にマカロニ・コンバット≠ニ呼ばれるジャンルの戦争映画という事は疑う余地がないでしょう。
ハリウッド系ウェスタン映画の世界的大ヒットの人気に肖って多数制作されたのが、イタリア製西部劇いわゆるマカロニ・ウエスタン≠トのは周知の事実。最初はスパゲッティー・ウエスタン≠ネんて呼ばれてたそうですが、やっぱゴロが悪かったのか、やがてマカロニ≠チて呼び名に落ち着きました。低予算、短時間、アクの強い出演者、濃いいが薄い内容のストーリー、独特のメロディ調テーマ曲、同じシーンの使い回しによって、映画ファンの間でも1ジャンルを形作る程の人気ジャンルですが、それと同様に作られたのが、このマカロニ・コンバット′n戦争映画です。ただでさえお金のかかる戦争映画を、いかに低予算で作るか、という製作者側の苦労が見え・・・ません。イタリア的ラテン系人種の楽観主義からでしょうか。他作品のフィルムの使い回しや、名作映画のストーリーのパクリ、大方の予想を裏切り、タイトルから想像されるストーリーとは全然・・・まったく違う設定・・・等など。でも何故か憎めない、ついつい観てしまう、思わず苦笑いしてしまうマンネリ設定や俳優たち、あっと驚く登場兵器・・・の数々。将に「戦争のはらわた」や「Uボート」「史上最大の作戦」「トラトラトラ」など戦争映画史上に名を残す名作たちと双璧を成すほどの迷″の数々。コレだけでホームページが作られてしまうほどの奥の深い世界です・・・。
【日本製マカロニ・コンバット・・・いえいえ○○○○・コンバットです】
おっと、ここでマカロニ・コンバットについてお話する気は毛頭ありません。誠に恐れ多いことですが、私よりその方面に精通された方々(俗にマカロニ大王≠ネどと呼ばれる伝説の方など)はいっぱいいらっしゃいます。ここで話題にするのは前述の如く「独立愚連隊」や「独立愚連隊、西へ」「逃亡列車」や「零戦黒雲一家」に代表される、今の日本映画では、もはや制作されることのなくなった痛快アクション活劇戦争映画≠ニ呼ばれる名作たちです。ハリウッドウェスタンを彷彿させる舞台設定や勧善懲悪の登場人物たち、ちょっと濃くて、それでいて爽やかなストーリーとラストシーン。戦争や軍隊をテーマにしながらも、そんなもの笑い飛ばすほどのパワーを持った主人公たち。もはや、これらを1ジャンルとして確立せずに何としようか・・・。マカロニ・コンバット≠ノ勝るとも劣らない作品の数々を、このまま埋もれさせて良いのでしょうか?
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12月13日(木)
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