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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File004】It happenedthere≠サれはそこ≠ナ起こった
さて次に、戦争映画の舞台になった土地、地域について考えてみましょう。
以前にもカキコミましたが、戦争映画の題材としては圧倒的に「第二次世界大戦」が舞台として描かれています。欧州での戦いが中心となった「第一次世界大戦」と比べて大きな違いは、日本vs米英中が激突した中国、東南アジア、太平洋の島々を戦いの舞台とした太平洋方面がクローズアップされることでしょうか。
まあ他の地域が舞台になった作品もそれなりに制作されてますので、どんな戦いを題材としているか分類してみましょう。

A.ヨーロッパ(ロシア、英国、アイルランド含む)大西洋方面
ローマ帝国の滅亡の原因となったゲルマン民族の大移動∴ネ来絶えず戦乱の続いたヨーロッパ。幾多の国家が興隆衰亡し、数多の血が流されております。中世以降の騎士や王侯が主体となった戦い(国家の利権や王位継承、宗教等が原因)ナポレオン戦争(常備軍としての軍隊組織及び歩兵・砲兵・騎兵の三位一体型戦闘形態の確立)そして大量殺戮戦となる第一次世界大戦・・・第二次世界大戦・・・。
ドイツ辺りを中心として西側が西部戦線%倦、(ロシア中心)が東部戦線を舞台として幾多の作品が制作されます。
第二次大戦以降「冷戦期の緊張状態」を除けば「西部戦線は異状なし」ユーゴや旧ソ連諸国など「東部戦線、未だ安定せず」ってとこですか。
大西洋を舞台とした作品は、もうUボート≠ノ尽きますか。そうそう「ビスマルク」もね。

B.地中海・アフリカ・中近東(トルコ含む)方面
この地域はA≠フヨーロッパとは密接な関係があります。古代ギリシャやローマの海上交易ルートやシルクロードの拠点であるコンスタンチノーブルを始め、北アフリカ沿岸の交易、キリスト教の聖地エルサレムなど莫大な富や信仰をめぐり、絶えず戦乱が繰り返されて来ました。
この地域で最も重要な戦いは、中世であれば十字軍°゚代であれば列強によるアフリカ諸国の植民地支配≠サして第二次世界大戦でのギリシャ方面、北アフリカ・エジプト方面、マルタ島・シチリア島を巡る戦い、戦後の植民地独立、イスラエル独立以降繰り返される中東戦争、イランイラク戦争、アフガン紛争、湾岸戦争で、これらを題材とした作品が数多く制作されています。そして今回の米英によるテロ報復戦争「未だ戦火鎮まらず」ですな。

C.インド方面
四大文明のひとつインダス文明の発祥の地であるインドも、多くの民族、宗教、階級が入り乱れ、藩王国・諸王朝が乱立し戦いが繰り替えされてきました。16世紀のムガール王朝による統一が行われますが、一世紀後には英国による植民地支配が始まります。英植民地下のインドを舞台にした作品、主に冒険活劇がいくつも作られます。第一次大戦中、第二次大戦中とインドは戦略上の重要地点ではありましたが、直接枢軸側と連合国側が激突するような戦闘は行われなかった為、戦争映画の題材としては少ないですね。戦後、英国からの独立を経て現在に至りますが、パキスタンとの国境紛争、バングラデシュの独立紛争が戦争映画の題材って言えそうですがあんまり聞きません。そうそうインドと言えば世界有数の映画大国≠ナすが戦争映画なんか作ってるんでしょうかねぇ〜「躍るプライベート・マハラジャ」なんてね!

D.東南アジア、オーストラリア、太平洋方面
東南アジアと言っても、世界史上注目されるような歴史的事項は、列強の進出以前は思い浮かびません(勉強不足ですんません)英国によるマレー半島支配、スペインによるフィリピン支配、オランダによるジャワ方面支配、フランスによるインドシナ支配、独立を保ったタイ王国って事ぐらいですか。フィリピンは19世紀末の米西戦争後米国支配下となり、太平洋方面の独植民地は第一次大戦後、日米の統治下となり、ハワイも独立王国から米国の支配下となります。その後は皆さんもご存知の通り太平洋戦争(島々を巡る激戦)へと繋がっていく訳です・・・。戦後は各地で植民地支配からの独立が行われ、中でもインドシナの紛争は、後にベトナム戦争へと戦火が拡大して行きます。またフィリピンは長きマルコス支配の後、革命により新しい体制が生まれます。この辺が映画の題材になってる作品が幾つかありますね。

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10月26日(金)
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