ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File076】彼らはブーツを履いたまま死んだ・・・多勢に無勢【中編Vol.2a】
【フロンティアの終焉・・・インディアン・ホロコースト】
アメリカ独立宣言では「すべての人民は平等に・・・」と謳われていますが、インディアンたちが、このすべての人民≠ノ含まれていなかったのは明白な事実です。シェリダン将軍が言ったと言われる「私が今まで会った中で一番良いインディアンは、死んだインディアンだけだ」この一言こそが、北アメリカにおける西部開拓史を如実に物語っていると言えます。西部劇の題材としてハリウッドが創り出した「正義の騎兵隊VS野蛮で残忍なインディアン」という図式が、インディアンに対して常に軍事的にも物量的にも優位な立場にあった白人たちの全く持って身勝手な虚構≠ナあった事は言うまでもありません。インディアンたちにとっては、あくまでも侵略者である白人たちから自分たちの生活を守るための戦いだったのであり、実際に野蛮かつ残虐だったのは、いつも白人たちの方でした。合衆国の発展と繁栄は、将にインディアンの屍の上に築かれたものと言っても過言ではないでしょう。白人たちは辛うじて生き延びたインディアンに対する生存の条件としてインディアンである事を止める(文化を捨てる)≠謔、強制しました。インディアン文化の抹殺こそが白人文明の勝利≠セと盲信していたのです。全てのインディアンが合衆国市民≠ニして認められたのは、ようやく1924年になっての事です。しかし現在に至っても収入・学歴・生活環境等様々な生活・文化の指標において、インディアンたちはアメリカ合衆国を構成する各民族の中でも、最も低い位置に存在していますし、またインディアンたちへの人種的偏見や差別も未だ根強いものがあり、依然として合衆国の中においてインディアンたちが本来の意味でインディアン≠ニして生きていく為には、全く以て容易ではない状況が続いています。コロンブスの新大陸発見当時、現在のアメリカ合衆国部分には200万人以上≠フインディアンが生活していました。しかし19世紀末には、それが25万人≠ワで激減(・・・8人に7人が殺されたor死んだ事になります)・・・現在では約145万人≠ノまでに回復してはいるそうですが・・・。
さて何時に無く堅い(似合わんなぁ・・・)内容の書き込みになってしまいました。アメリカン・ドリームとフロンティア・スピリッツに満ち溢れた、憧れの国アメリカ合衆国の実像・・・そこには騎兵隊の硝煙とインディアンの血に塗れた事実が歴史の闇の中に埋もれていたのでした。次回は、更に掘り進めて合衆国軍VSインディアン′ンャ史について書き込んでみたいと思っています。世界の警察アメリカの実像≠ノ乞うご期待あれ・・・【続く】
02月25日(火)
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