ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File128】男たちの硫黄島・・・Bある星条旗(ハタ)の物語【後編】
緊張の解れたレオ・ロゼクとロバート・リーダー(彼は小隊非公式画家と呼ばれていた)は、山頂に並んで立つと、噴火口跡に向けて立ち小便をしながら「この火山はアメリカ合衆国の所有地だ」と宣言したそうです。日本兵の反撃はないと判断したシュリアー中尉は、先任下士官のアーネスト(ブーツ)トーマス軍曹に、星条旗掲揚の旗竿に適当な棒状の物を探すよう命じます。トーマス軍曹はレオ・ロゼクとロバート・リーダーの二人に命じ、二人は散乱していた日本軍の雨水集水用パイプの中から手頃な長さの物を見つけ、トーマス軍曹の待つ場所に持って来ました。トーマス軍曹はパイプを受け取ると、ハンク・ハンセン軍曹、チャールズ・W・リンドバーグ伍長(火炎放射器担当/1927(昭和2)年に大西洋単独無着陸飛行に成功した飛行家とは別人)そしてジェームス・R・マイクルズ一等兵たちと共に星条旗を結び着けました。
【写真上下】パイプの先端に星条旗を結び付けるトーマス軍曹以下の海兵隊員たち
1020時遂に星条旗を結び付けたパイプが摺鉢山の頂上に掲げられました・・・合衆国海兵隊の公式戦史によれば、この時星条旗を掲揚したのはハロルド・シュリアー中尉、アーネスト(ブーツ)トーマス小隊先任軍曹、ハンク・ハンセン軍曹、チャールズ・リンドバーグ伍長、ルイス・シャーロ一等兵の5名と記録されています。

摺鉢山山頂に肉眼では確認出来ない程の・・・日本古来の領土に2600年間で始めて・・・星条旗が翻った瞬間、海岸拠点と沖合いの300隻以上の艦艇から驚く様な不協和音が一斉に沸き起こりました。海兵隊員たちは皆歓声を上げて口笛を吹き鳴らし、ヘルメットやライフルを打ち振り、沖合いの艦艇は太くて低い汽笛を鳴らし続けました。その光景はまるで、新年に変わった瞬間の様だったそうです。そして海兵隊員たちの何人かは、硫黄島での戦いが間も無く終わり帰国出来る、と錯覚を覚える程でした。

部隊に同行していた従軍カメラマンのルイス・ローリー軍曹は、同行中30枚程度の写真を撮影していますが、残念ながらローゼンソールの様な星条旗掲揚の決定的瞬間場面は撮影はしていません・・・一説によれば星条旗掲揚の瞬間にカメラが故障してシャッターが下りなかった・・・とか。結局、彼が星条旗掲揚場面として撮影した写真は、掲揚されてから暫く後に撮影した、あの旗竿を数名の海兵隊員が支えている手前で、マイケルズ一等兵がカービン銃を構え周囲を警戒している写真≠ネのでした。

ゲゲェ〜偉そうに書いておきながら、まだ本筋に到達してない!・・・お前は一体何が書きたいのか・・・ってですか。それは次回観戦記のお楽しみ・・・と言う事で【続く〜ッ】

01月21日(日)
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