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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File065】これを観て何を想う・・・何だコ〜リャ 愛のタリホー【ネタバレ警報】
映画も商売ですから制作コストを回収するのが前提。戦争映画という枠に捕われていては、女性観客の動員が見込めません・・・。戦争映画のパターンのひとつ、ひたすら戦闘の経過を時系列式に描くだけなら、余程の話題性が必要です。近年この傾向を全面にして男女の色恋模様を排した作品は「プライベート・ライアン」や「ブラックホーク・ダウン」ですか・・・。それに準ずる作品としては「ワンス・アンド・フォーエヴァー」と「ウインド・トーカーズ」・・・ですかね。これら共通の特徴としては、戦闘場面を極度に強調している事・・・観客が目を離せない程、ド派手な戦闘シーンの連続で一般観客を圧倒し、銃火器・兵器を描き込んでマニア受けを狙った作品。ただ大道具や小道具、特殊撮影に経費負担がかかる為、大資本が後ろ盾にないと制作が難しい。ハリウッド資本と違い、資金が潤沢でない制作会社によって戦争モノの映画が製作される場合、どうしても男女の色恋シーンをシナリオに組み込まざる得なくなる訳です・・・「パール・ハーバー」はハリウッド映画でありながらド派手な戦闘シーン≠ニ男女の三角関係≠二本柱としていました・・・やはり制作が○ィズニー≠セからでしょうか・・・。このDBWでも主人公とその戦友と英国人女性(ヒロイン:夫が従軍中行方不明)との三角関係が描かれています。いや主人公にはチェコに残してきた許婚がいるので、間接的には四角関係か・・・。発端は撃墜され脱出した戦友(まだ幼さの残る少年パイロット・・・ヌード写真を恋人≠ニして大事に持っている。そう言えば「塹壕-トレンチ」でもヌード写真のエピソードがあったなぁ)とヒロインの一夜の過ち?だったのに、何時の間にか主人公がその間に・・・って言うかヒロインが主人公に一目惚れして話がややこしくなります。結局は主人公とヒロインの関係が戦友にバレ、二人の友情は破局・・・この辺りの描かれ方はラブ・ストーリー的にはそれ程でもないのでしょうが、戦争映画的には戦友の友情がかくも脆いものかと、ちょっとガッカリな演出でした。最後は二人の友情は修復されるようですが、それもはっきりしないまま。戦友は、被弾しドーバー海峡に脱出降下した主人公を助ける為、操縦席の中で救助ゴムボートを膨らませてしまい、操縦不能になって墜落・・・呆気ない死。その後の物語の悲惨さ・・・行方不明だった夫が生還し、ヒロインとの関係は破局・・・戦後祖国に戻った主人公を待っていたものは・・・観てて想像つきましたが、消息不明の主人公を見限り、実直な男と結婚し子供を産んだ許婚・・・。この手の悲恋モノを観慣れていない戦争映画ファンとしては、居たたまれないくらい悲惨なストーリーですわ・・・。そう言えば、前述の「ザ・パイロット」も主人公と既婚女性との不倫が破局するストーリーだなぁ〜。基地から女性の家まで忍んで行くシーンなんかソックリです!
B戦後の共産化したチェコにおける元義勇パイロットたちの強制収容の悲劇
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11月03日(日)
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