ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File055】あゝ邦画戦争映画は燃えているか・・・THE LAST KAMIKAZE・・・特攻編
以上、時代の流れとともに、その時代に製作された特攻映画≠上げて見ました。特攻≠ニいう行為が戦争≠ニいう大きな悲劇の中で、どんな意味があったのか・・・それを一概にコレコレ≠セった・・・と言うことは非常に難しい事です。私ATF自身、叔父の一人に元特攻隊員がいますが、当時の話を聞いても、その場の状況や雰囲気が、とても特攻≠ニいう行為に反対できるような場合ではなかったし、志願制であったにも関わらず、戦友たちの手前志願しない訳には行かない・・・戦友が志願するのに、ひとりだけ生き残るなんて自分自身が赦せない・・・など、将に当時の状況に置かれなければ分からない・・・いや現代社会の主義・思想にどっぷり浸かった私達には、戦前・中の主義・思想の中で教育された若者たちが置かれた立場は中々理解出来ない事ではないかと思えます。これは太平洋戦争や日清・日露戦争だけでなく、幕末や戦国時代に生きた人々にしても同じ事が言えるのではないでしょうか・・・。何度も言いますが、特攻隊員たちの心情を理解するのは難しい事です。国を憂い、家族を想い、敵を憎みながら突入していった若者たち。反面、特攻隊員の中には国家や軍隊を呪い「海軍のバカヤロー」という最後の無電を打って来た隊員もいたそうです。確かに正確な情報もなく、過去の過ちも改善せず、悪戯に損害だけ増すような無謀な作戦を立案・実施し続ける軍上層部・・・先日○HKのドキュメンタリーで放送された「台湾沖航空戦の実像」など、特攻隊で無いにも関わらず、ほぼ全滅に近い航空部隊が続出・・・どうせ死ぬなら、少しでも可能性がある特攻を・・・の誰もがそんな幻想に支配されていった悲劇の時代だったのです。「特攻隊員たちの考えや行為は到底理解は出来ないかも知れない・・・しかし特攻隊員たちの事を忘れてはいけない。」その為にも特攻映画≠語り継ぐ・・・製作し続けなければならないのかもしれません・・・君を忘れない・・・。

・・・以下参考資料・・・
【特攻映画水上・水中攻撃編(タイトル・公開年・主演俳優・陸海区分)】
「戦艦大和」1953高田稔(海軍)
「人間魚雷回天」1955岡田英二(海軍)
「人間魚雷出撃す」1956石原裕次郎(海軍)
「人間魚雷あゝ回天特別攻撃隊」1968鶴田浩二(海軍)
「肉弾」1968寺田農(陸軍)
「終戦45周年記念スペシャル「戦艦大和」1990」

【その他特攻シーンの挿入された作品・元特攻隊員が主役の作品】
「太平洋の翼」1963
「日本のいちばん長い日」1967
「激動の昭和史 沖縄決戦」1971
「連合艦隊」1981
「大日本帝国」1982
「零戦燃ゆ」1984
「犬死にせしもの」1986
「きけ、わだつみの声」1995

【ATFお薦めのビデオ】
「ドキュメント特攻」文藝春秋ノンフィクションビデオ 各税抜3400円
 ・前篇1944/10〜1945/1比島方面特攻作戦
 ・後篇1945/1〜1945/5 沖縄方面特攻作戦
太平洋戦争末期、追い詰められた日本軍が取った世界史上例を見ない、航空機による体当たり作戦をアメリカ側と日本側の記録映像によって集大成した決定版「特攻映像集」戦争を扱った映画やドキュメンタリー番組内で良く見られる特攻機の出撃・攻撃シーン、攻撃され大爆発を起こしながらも沈没を回避する米空母のタフさ、米海軍の被害対応マニュアルと射撃管制レーダーやVT信管など対空火器の構造説明フィルム等貴重な映像満載。被弾炎上しながらも必死に突入してくる特攻機の姿の向こうに、特攻隊員たちの姿がオーバーラップして見えてきます・・・。
書店・CD店・ネット通販等で購入できます。特攻映画≠観る前に、是非観て欲しい作品です。


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08月31日(土)
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