ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File051】敵うぁ♪地獄ぬぉ♪・・・デェ〜ス・トォ・ロォ・・・いや〜ん♪・・・軍艦洋画編Vol.3
二次戦初期、独海軍Uボートによる通商破壊戦から生命線である輸送船団を守る為、英国海軍は片っ端から護衛兵力を掻き集めるのですが、七つの海に君臨する大英帝国海軍の威光が、逆に仇となってしまいます。世界各地に植民地を持っているため、その警備や神出鬼没な独海軍の通商破壊艦の捜索の為、海上兵力の分散を余儀なくされた訳です。結局は護衛戦力の強化の為、遠洋型のトロール漁船やキャッチャーボートにソナーや音響探知装備、爆雷を載せた急造型対潜小艦艇や、キャッチャーボートの造船技術を応用し中小の造船所でも建造できる様にした小型護衛艦の傑作フラワー級コルベット艦≠竅Aその性能発展型であるリバー級フリゲート艦≠フ建造を急ピッチで行う訳ですが、やはり護衛が足りない・・・。そこで、まだ参戦していない米国に世界各地の英国海軍基地の使用権との交換条件で引き渡して貰ったのが、米国海軍が一次戦時に大量に建造し余っていたタウン級°逐艦50隻で、その独特の艦型からFour Stacker(4本煙突)≠ニかFlash Decker(平甲板型)≠ニか呼ばれていた旧式駆逐艦(と言っても本家米国でも掃海型や高速人員輸送型として終戦まで使用されていた。真珠湾攻撃時に日本海軍特殊潜航艇に最初の一発を放ったワード≠笂本海軍に捕獲され哨戒艇として使用されたスチュワート≠ネども、この同型艦)さて前置きが長くなりましたが、この作品は1942年4月28日に実施された実際の特攻作戦(フランスのサン・ナゼール軍港にあった戦艦テルピッツ号(ビスマルク号撃沈後、独海軍最大の艦艇。輸送船団にとって大いなる脅威だった)を修理できる大西洋岸唯一のドックを使用不能にする為、爆薬を満載した老朽駆逐艦キャンベルタウンを艦体ごと突入させ、ドックの水門を見事爆破した)をモデルにしています。映画に登場するのはトレヴァー・ハワード演じる老艦長フレーザー中佐(8年前に操艦事故を起こし軍法会議で予備役に編入されていた)指揮するバラントルー号ですが、乗員の殆んどが海は初めてという素人ばかりだったり、老朽故の故障の続出、新米航海士のミスによる沈船との衝突事故、防潜網にスクリューが絡まったり、乗員が陸の酒場で大乱闘(原因は乗艦を馬鹿にされた事による)など面倒続きで、艦隊中では「Gift Horse」(原題)と呼ばれて馬鹿にされていたりしますが、乗員たちは次第に、この老朽艦と頑固者の艦長に愛着を持つようになったり、船団護衛中の対空戦闘で独爆撃機(スツーカ?)を撃墜したり、浮上したUボートに体当たりしたりと次第に戦果を上げ馬鹿にされなくなったりと、中盤まではお決まりのストーリー。やがて老朽艦の最後の任務として、前述のドック爆破作戦が実施されるのですが、艦首に5トンもの爆薬を満載し、また海兵隊員を乗船させ、独海軍のメーヴェ級水雷艇に偽装する為トレードマークの四本煙突を2本に改装したりして、お供のフェアマイルD型MGB(機動砲艇)を引き連れ編隊航行する晴れ姿は最高。奮闘の後、最後はドックの水門に激突、座礁しながら、時差設定の時限爆弾によって調査の独兵達を道連れに吹っ飛ぶバラントルー号の最後の雄姿。前述の「軍旗の下に」と同じくリチャード・アッテンボローが出演していますが、こちらでの役は、何かと権利や規則に五月蝿い堅物な労働組合役員出身の水兵を演じています。
【ケイン号の叛乱】1954
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07月31日(水)
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