ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
[455606hit]

■【File044】オーバーロード作戦#ュ動記念ドラマ「プライベート・ライアンとオマハの砂」
ドイツ軍の砲撃が依然として激しく続き、その間にも浜辺はどんどん近づいてくる。やがて大きな衝撃と共に舟艇が停止し、前面の踏み板が下ろされた。途端に最前列の兵士たちが、仰け反って倒れる。なんとも有り難い事に、舟艇はドイツ軍機銃座の正面に着岸したのだ。それをドイツ兵機銃手は見逃さなかった・・・次々に射殺される兵士たち。「横から飛び込め・・・」ミラー大尉が叫ぶ。兵士たちは我先に海の中へと飛び込んだ。「俺は泳げないんだ〜ッ」舟艇の縁にしがみ付く兵士を、ホーバス軍曹が引きづり下ろす「俺は行かないぞ〜ッ」尚も喚き散らす兵士の顔面を、無情なドイツ軍の機銃弾が吹き飛ばした。さらに運の悪い事には、一部の兵士たちが飛び込んだ場所は深みで、重い装備に自由を奪われた兵士の何人かは、再び浮かび上がっては来なかった。それでも生き残った兵士たちは、海水に足を取られながらも浜辺に上がると、干潮の為、完全に露出してしまった対舟艇用障害や対戦車障害の背後の僅かな空間に安全な場所を求め、何人もが寄せ合って身を隠そうとしていたが、ドイツ軍の機銃掃射は容赦なく彼らに降り注いだ。ミラー大尉には、海から這い上がった一瞬、時間が止まった様に思えた。目の前で兵士の一人が何か喚いている。「一体、如何しちまったんだ・・・ココは何処・・・私は誰・・・?」やがて混乱が醒めるとミラー大尉は兵士たちに向かって叫んだ。「武器を拾え!ココに居ても狙い撃ちされるだけだ・・・死にたくなかったら、前方の土手まで走るんだ・・・」土手といっても、周囲より僅かに砂が盛り上がっているだけだ。恐怖に固まった兵士たちは動こうとしない。ミラー大尉は、傍らに落ちている防水袋に入ったトミーガンを拾った。対戦車障害物の陰では、一人の将校が隠れている兵士に向けM1カービン銃を突きつけている・・・「貴様、前進するんだッ」将校のM1カービン銃を持つ手も震えている。傍らにいたホーバス軍曹がいきなり将校のM1カービン銃を蹴り上げ・・・「地獄で待ってるぜ・・・」将校を睨みつけた。「貴様、ぐ、軍法会議だぞ・・・」一瞬何が起こったか理解できなかった兵士たちが、オロオロと立ち上がった。その姿を確認すると、ミラー大尉はホーバス軍曹を促し、さらに自ら土手に向かって走り出した。「中隊長の後に続けーッ」ホーバス軍曹も叫んで走り出す。膠着した海岸に小さな動きが生じた・・・。(ココまではエリアス・・・じゃなかった、シリアスじゃん・・・)

chap04.突破作戦

[5]続きを読む

06月03日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る