ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File074】多勢に無勢・・・って言っても時の運≠ナしょやっぱ!【前編】
さらに時代は遡ります・・・第二次大戦中に生じた自由主義陣営と共産主義陣営の対立は、大戦終了によって一挙に緊張が高まり、1950年6月25日ソ連製T34/85戦車の大部隊を先頭にした北朝鮮軍が南北の国境を突破、以後3年に渡って激しい戦闘が続く事になります。朝鮮戦争を舞台にした戦争映画は結構数多く制作されますが、如何せんソフト化されているものが少なく、尚且つ日本国内で観賞出来る作品は、更に少なくなってしまいます。ATFが観戦した作品の中では「折れた銃剣(FIXED BAYONETS 1951)」と「地獄への退却(RETREAT.HELL! 1952)」の二作品が少数兵力で大部隊に挑む設定の作品として上げられます。両作品とも、1950年9月15日マッカーサーの大博打≠ニ言われた仁川上陸作戦≠ノより国連軍の反攻が開始され、10月19日には北朝鮮の首都平穣が陥落、中国国境まで北朝鮮軍を追い詰めるも、ここに至って中国人義勇軍12万人が参戦、共産側の反攻が開始され、国連軍の攻撃の先頭にあった米第一海兵師団1万4千名が孤立、全滅の危機に瀕した歴史上名高い合衆国海兵隊最大の撤退作戦≠舞台にしています。「折れた銃剣」は撤退する部隊の殿を命じられた海兵小隊が、迫り来る共産軍の大部隊を食い止める為、激戦を繰り広げ一人一人と倒れて行く様を描き「地獄への退却」は中国義勇軍の大部隊の反抗に遭遇し、戦いながら撤退する海兵隊の苦戦が描かれています。人海戦術で押し寄せる共産軍の攻撃を、小部隊ながらフルオート火器の火力の優勢差と補給に救われて撃退しながら撤退する海兵隊。特筆すべき点は、攻撃前に角笛≠フような喇叭を高らかに響かせ突撃してくる共産軍の様子が両作品ともに描かれている点。その喇叭の響きのなんと勇壮な事・・・山々に響き渡るその音色。両作品とも実際の戦時中に制作された作品の為、その辺の描写は正確なのでしょう。もう一作品・・・これは米軍以外の国連軍のひとつである「韓国の丘(A HILL IN KOREA 1956)」があります。この作品は、なんとかのマイケル・ケインの映画デビュー作品・・・。前線偵察中の英軍部隊が、丘の上の寺院に立て篭もり共産軍を迎え撃つ作品です。共産側の戦車役でクロムウェル戦車が登場する点も一目置けます。共産側は圧倒的多数といった様には描かれてはいませんが、もうこれ以上撤退する道のない背水の陣%I英軍部隊の戦いには、一種の悲壮感が漂っています。まあ結局は共産軍の攻撃を撃退するんですけどね・・・。
【戦争映画数多しと言えども・・・第二次世界大戦欧州・アフリカ篇】
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01月28日(火)
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