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ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File057】オイラも海軍♪ヤクザな海軍♪・・・陽のあたらない小艦艇たち・・・前篇 軍艦洋画編Vol.4
ジョン・フォード&ジョン・ウェイン黄金コンビにより太平洋戦争終戦直後に制作された作品。原題の『THEY WERE EXPENDABLE=彼等は消耗品だった』からして、戦時中に戦意高揚実録映画を撮っていたフォード監督とは思えないような重い内容の作品ではあります。太平洋戦争緒戦、日本軍の破竹の進撃により米比両軍の敗色濃いフィリピン戦線で戦う米海軍哨戒魚雷艇部隊。頼みの米極東艦隊は撃沈されたり退避したりで、残っている艦艇は哨戒魚雷艇のみ・・・しかも米軍でもまだ哨戒魚雷艇の有効な活用・戦法が確立されておらず、専ら魚雷艇の任務は哨戒と連絡・・・。日本軍の攻撃により次第に増していく損害・・・そんな中で隊長(ジョン・ウェイン)を中心に固い絆で結ばれて行く魚雷艇乗組員たち。(魚雷艇109と異なりラブロマンスを盛り込み)負傷した隊長と看護婦(ドナ・リード)とのほのかな愛・・・が描かれている。しかしジョン・ウェインって従軍看護婦がよっぽど好きなのか(「危険な道」等)?終戦直後なので実物の魚雷艇や軍用車両が大挙登場しマニアには嬉しい作品です。有名な「私は戻ってくる・・・」の台詞と共にオーストラリアに脱出するマッカーサー将軍と家族・幕僚たちが最後に残った魚雷艇で脱出したのはご存知の通り(グレレゴリー・ペック主演の『マッカーサー』でも有名なシーン)頼みの魚雷艇を失った隊員たちが、陸戦隊?となってコレヒドールへと行進して行くラストシーンには、彼等のその後(降伏、死の行進・・・捕虜等)の運命が強烈に映し出されています。ジョン・フォード監督は、この映画の監督としてのギャラ全額を復員軍人基金に寄付したそうです・・・。

【その他、太平洋戦線映画に登場する魚雷艇】
さて上記2作品は魚雷艇マニア≠ノは堪らない作品ですが、その他印象に残る魚雷艇シーン≠ヘ・・・。
【危険な道1965】軍艦洋画編Vol.2でも書き込んだ作品で、ジョン・ウェイン演じる主人公トリー准将の息子(離婚した妻に引き取られ成長した)が海軍少尉として魚雷艇隊に配属されています。物語ラストの日本艦隊との決戦シーンで、海戦の露払いとして日本艦隊(大和?)に対し夜間襲撃をかけ、巡洋艦?に魚雷を命中させますが、砲撃により撃破、戦死を遂げます。登場する魚雷艇はどう見てもレプリカらしいですな。
【橋頭堡を攻撃せよ1960】ブーゲンビル戦線で、沿岸監視員?の親子を救出する海兵隊のお話ですが、ラストシーンで、救出地点の桟橋にたどり着いた主人公一行に迫る日本駆逐艦・・・その時、どこからか現れた一隻の米軍魚雷艇が駆逐艦に肉薄攻撃をかけるのですが、呆気なく砲撃で撃破され・・・ところが、海に飛び込んだトニー・カーチスが手榴弾を魚雷艇の残骸に投げると流出したガソリンが爆発し・・・見事駆逐艦を撃破したのでありました・・・凄げ〜話です。
【太平洋の翼1963】太平洋戦争末期、制空権を奪還する為、源田実大佐の発案によって松山に編成された精鋭第343航空隊の物語・・・で、外地で生き残っているベテラン搭乗員達が日本へ戻る為、沿岸哨戒の米魚雷艇を焚き火でおびき寄せ、呆気なく鹵獲してしまうシーンがありました・・・。

さて最後に控け〜ぇしは・・・戦争映画の中で登場するシーンが非常に多い小艦艇は・・・と聴かれて即答できるのが、コレ上陸用舟艇≠ナす。沖合いに停泊した輸送船から兵員や装備、車両を揚陸地点まで運ぶ小型の舟艇(戦車等の大型車両が搭載できるものは結構大型だが・・・)上陸シーンのある映画「史上最大の作戦」「プライベート・ライアン」等数え切れません。しかし映画のストーリーが進むにつれ忘れ去られ≠トしまう悲しい存在・・・所詮は前座、脇役メカ・・・爆・・・なんですよ。そんな中で唯一上陸用舟艇≠ェ主役級の活躍をする作品があります・・・。
【全艦発進せよ1956】

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09月23日(月)
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